高齢のお父さんとお母さんが2人暮らしの時は

なかなか介護サービスを受けられなかったらしい。
1人暮らしじゃないんだから大丈夫だろうと思われるんじゃないかって言ってた。
高齢の夫婦2人は
どちらかが介護になった時
もう1人にどれだけの肉体的、精神的に負担があることか…
介護疲れ…老老介護………
彼女の両親は
もうずっとガスは使ってなかったし
食事も
宅配やスーパーの惣菜や
友人である1人娘の彼女が
週に2回行った時に作る食事が全て。
お母さんが入院したら
お父さんは自分のことだけやればいいわけだけど
少しずつ認知症が進んできていて
今は全てのことをメモに書いて貼ってあるそうだ。
ご飯も冷蔵庫に何日かの分を用意して
その日の食事を何分レンジで温めればいいか…
一皿…一皿…
できるだけ洗い物は増やさないように工夫しているそうだ。
郵便物も大事な物があるから
お母さん宛の物は決して開けないように…と
言っているのに開けて捨ててしまうらしい…
それで役所関係の手続きがなかなか進まなくて大変だったと…
お金の管理に関してはきちんとしてるけど
いつも通帳を見ては
「なんだかわからない金額のものが引き落とされてる!」
と心配するそう…
「それはお母さんの入院に関する費用だよって、何度も言ってるよね…って父には子どもに話すように言うんだよ」
と彼女はそんなことも笑いながら話す。
先日はお財布をなくす事件があったそうだ
お母さんが入院しているのはわかってるけど
いつも面会に行くと
「いつ帰ってくるんだ!いつまで入院してるんだ!」
とお母さんに繰り返し聞くので
その都度彼女が諭す…
もう家に帰ることができそうもないお母さんの前では
なかなか言えないから
少し離れて諭すそうだ。
お母さんにしてみたら
家に帰れないのは辛いけど
手のかかるお父さんとのやりとりがなくなったのは
少しホッとしてるところもあるんだとか…
お母さんがいなくなって
お父さん自身が寂しくてつまらないから
だから早く帰って来いと言うお父さん…
面会に行くたびに彼女に諭された言葉を忘れてしまう…
昔から亭主関白なお父さんだったらしいけど
認知症だから仕方ないと…彼女は言ってた…
携帯電話は使えない。
家の電話から彼女にしょっちゅう電話してくる。
言ったことを忘れてしまう。
言われたことを覚えていない。
それでも彼女は辛抱強くお父さんと接してた。
でも
一度だけ涙ながらに怒ったことがあったと言ってた。
そりゃあそうだよ…
介護のプロだからって
2人の親のことを
たった1人でやることは過酷な介護だよ…
プロだからって…
泣いたっていいじゃない…
怒ったっていいじゃない…
当たり前だよ…
定年退職した旦那さんが家にいる。
でも
認知症のお父さんが受け入れられないから
一緒には行かないと言ってた。
娘が2人いるけど
娘にも頼らない。
わたしは彼女がとても心配で
あれこれと気を揉んでしまうけど
「大丈夫‼️ 食べてるし寝てるから
」
と笑ってた。
本当に彼女はすごい。
そんな彼女はわたしの自慢の友人だ。
