母が担架で運ばれて


救急車に乗ってすぐに頼んだ。


「父が入院しているんです。その病院で受け入れてもらえませんか?」


救急隊はすぐに確認してくれたけど


父の病院には脳外科がないのでダメだということだった。


両親が別々の病院に入院…


仕方がない…



でも、母を乗せた救急車はなかなか発車しなかった。


受け入れてくれる病院が見つからなかった。


どのくらいその場所にいただろう。


電話をかけてくれている救急隊の人も焦り始めているのがわかった。


その間母はずっと喋っていた。


自分はずっと高血圧で、心房細動で、血液をサラサラにする薬を飲んでること。


トイレに起きたら身体が動かなくなったこと。


繰り返し喋っていた。


あまりにも喋り続けて


さらに身体も動かそうとするので


「お母さん、安静にしてないとダメだよ。今から病院に連れて行って治療してもらうからね。」



あまりにもどの病院にも断られるので


救急隊が少しイライラしてるのがわかった。


母のために必死になってくれていたので


わたしは有り難かった。



やっと受け入れ病院が見つかり


救急車は動き出した。


近所の人たちはさらにたくさん集まって来ていた。


住宅地では救急車はサイレンを鳴らさないんだ…


その時そう思った。



10分くらいで病院に着くまで


たくさんの車が救急車に道を譲ってくれていた。


有り難かった。



病院に着いて


母の診察を待っていた時


救急隊の男性が母の毛布を持って来てくれた。


命に別状はなかったとしても


重篤な後遺症は残るだろうと想像できたので


救急隊の男性も申し訳なさそうにしていた。


充分親切にしてもらった。


駆けつけてくれた時は本当にホッとしたし


とても頼りになった。


感謝しかなかった。




診察が終わって


看護師さんが説明に来てくれた。


母は大部屋に入院すること。


先生からこれから説明があること。



お医者さんの説明では


やはり病名は脳梗塞。


命は助かったけど左半身が動かない。


リハビリしだいだけど


年齢も年齢だから(74歳)


この先どのくらい回復するわからないこと。



大部屋に運ばれて薬で寝ている母に会った。


いつもの母の顔ではなかった。


浮腫んで少し歪んでいた。


顔にも麻痺があるのかも…



考えることがありすぎて


頭が真っ白になっていた。



入院している介護が必要な父はどうしたらいいのか。


2人とも入院してしまったけど


どうやって世話したらいいのか。


入院してる間はまだ病院に任せておけばいいけど


2人が退院したらどうしたらいいのか。




どうしたらいいか途方に暮れていたけど


いろいろと連絡しなければならない。



母と連絡取れなくなった時


入院している父の携帯にも電話していた。


父に何かあって急遽母が父の病院に行っていないかと思ったから。


母の行動を父が知ってるかもしれないと思った。


わたしが母に連絡とれないと父に電話したので


入院している父はひどく心配していた。


母は台所で倒れていたけど命に別状がないこと。


入院するからしばらくは母には会えないこと。


少し辛抱してねと伝えた。


父はたぶん泣いていた。


でも「わかった」と言って電話を切った。




妹にも母と連絡取れないが事情を知らないかと電話していた。


妹も心配しているだろう…急いで電話した。


脳梗塞で左半身が動かないけど


命には別状がないから慌てて来なくても大丈夫だからと伝えた。


妹は母の顔を見たいからすぐに行くと言ってくれた。



職場に連絡した。


とりあえず2、3日は休ませてほしいと伝えた。



娘2人には連絡した。


命のあることにホッとしていようだ。



元ダンナにも連絡した。


しばらくはバタバタすると。




昨日までの世界とは全く違う世界になったように感じた。



これからどうしよう。


なんでこんなことになっちゃったんだろう。