7SEEDS 13 (13) (フラワーコミックス)/田村 由美
- ¥420
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巨大天体の落下を予測した政府が人類滅亡を回避する為に行ったいくつかの対策のひとつ、若く健康な人間を選んで冷凍保存し、ポッドのコンピューターが地球が人の住める環境になったと判断すると解凍が行われ、地上に放出されると言う『7SEEDSプロジェクト』。
このプロジェクトに選ばれた若者達のお話です。
かなり過酷な話だし、5チーム(各チーム7名+ガイド1名 春、夏A、夏B、秋、冬)に分かれた人達それぞれの人間模様や過去。そこから更にそれぞれの理由で別行動をとった先での話。
また『7SEEDS』とは別のプロジェクト『龍宮シェルター』での人々の話など、バラバラの場所で話しが進みます。
時間軸も違ったりして、先に読んだ話の登場人物が、他のチームと出出会った時には何年もたっていたりします。
メインの主人公は、多分春のチームの末黒野花。
このプロジェクトを立ち上げた人達とも浅からぬ縁がありますしね。
夏のチームの青田嵐とは恋人同士。
しかしこのカップルがですね……私は好きになれないのですよ(苦笑)。
特に花が……本人の知らない事ですが、かなり贔屓されていると言うか………まー、何と言うか、彼女の扱いだけ良いのが感じ悪いと言うか……ですが、先にも書いた通り、この作品は一つのチームの話に拘っていないので、主人公が嫌いでも充分楽しめます。
今回の巻は表紙と裏表紙の絵の面子がちょっと不思議でした。
安悟とマドンナと小瑠璃(夏Aチーム)に混じって何故かハル(春チーム)。
花なら分かるけど、何で~?と思っていたらステキな出会いが!
小瑠璃ちゃんとハルの出会いのシーンは凄く良かったな。
- 月刊 flowers (フラワーズ) 2008年 08月号 [雑誌]
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災害前は天才ピアニストだったハル。
指に怪我をするような事はしないし、生活能力も低いし協調性もないのに、ここぞと言う時に彼が奏でる音(壊れかけたピアノやら、お手製のオカリナやら木炭やら)が、周囲の人々を救ってくれるんですよね。
どんなに文明が衰退しても、環境が変わっても、音楽って大事なんだな~、と。特にこの巻では強く感じましたね。
歌うたうとか、手や足でリズムをとるって、体一つでできる娯楽じゃないですか。
最初登場した時は、こんなに活躍すると思ってなかったもんなぁ……と言うか活躍する予定じゃなかったんじゃないか?
一般人の中から色々な分野で特に優秀な人間が選ばれた春・秋・冬のチーム。
イレギュラーを狙って選ばれた落ちこぼれの集まり夏のBチーム。
そして、優秀と判断された精子と卵子から、このプロジェクトの為に生まれて、生きてきた夏のAチーム。
過酷な訓練と選抜試験により選ばれた夏Aチームのメンバーは、何の苦労もせず選ばれた(何も知らされず矯正的に眠らされ、目覚めたら災害後だった)と言う他チームのメンバーに対し辛く当たります。
選抜から漏れた他の仲間達は、全員殺されたからです。
そんな中、春チームのハルと夏Aチームの小瑠璃が心を通わせていく展開は凄く嬉しかったし、ホッとしました。
だっててっきりハルは花の事が好きで、嵐に負けて振られちゃうんだと思ってたんですよね。
でもあの感じだと、ハルの花に対する気持ちは恋愛とはまたちょっと違うのかな?
今回は挫ける花を後ろから抱きしめて慰めたりもしてたけど、花もそれを自然に受け入れてて、何かもう家族みたいになってきてるのかも。
私的メイン主人公である夏のBチームのナツちゃんも、嵐に対する気持ちをある程度ふっきり、例え自分の想いが届かなくても、好きな人の幸せを願うと言う気持ちになったようだし。
これで花と嵐が再会しても、苦しくて泣く人間はいなくなったのかな。
だからと言って、この2人があまり好きでない事に変わりはないんですが(苦笑)。
と言うか、高校生位であれだけ相手に傾倒した恋愛をしちゃって、こんな過酷な状況化で相手と再会する事を信じて旅して……現実だったら再会した途端に冷めそうですよね。
頭の中で思い出ばかりが大きく美しくなっちゃってさ。
あと、夏Aチームを育て、過酷な訓練と非情な判断で脱落者を始末してきた百舌が、夏Bチームの強運を目にし、動揺する姿が印象的でした。
はっきりとは描かれてなかったけど、自分が夏Aチームの子達にしてきた事について、後悔してるんじゃないかなぁ。
あんなに過酷な訓練は必要なかったのかもしれない……って。
いずれ夏Aチームと百舌さんが再会する日が来るんだろうけど、その時どんな展開になるのかは、実はちょっと楽しみ。
正直、百舌さんは痛い目見れば良い思っています(苦笑)。
ま、でも今は何より、ハル&小瑠璃と蝉丸&ナツのカップルの行く末が気になります。