いつも続きの記事が遅くなってすみません

本当の問題は「ボキャブラリーが足りない」ではない、かも
という記事の続きです。
次のバケーションはどこへ行くの?
と聞かれて、
えーとね、いま考え中なの。いろいろ候補にあがっている国はあるんだけどね。。。
ということが言いたいAさん。(下線部に注目!)
候補を和英辞典で引いたらcandidate なのですが、ここでcandidate を使うとまったく通じません。
なぜなら、英語でのcandidate は、日本語の「候補」よりも狭い意味で、本当に選挙などの「候補者」という意味でしか使われないからなんですね。
ここのシチュエーションで最もAさんの言いたいことに近く、英語として自然な表現は・・・
We have some countries in mind... but haven't decided yet.
といった感じでしょうか。
ここで、
何も難しい単語が使われていない
ことに注目してほしいです。
また、
日本語のニュアンスまでも含めて全て正確に
伝えようとすると往々にして失敗します。
ベストなのは、英語のパターンを丸ごと覚えておいて、シチュエーション別に、言いたいことに近い表現を頭の引き出しからひっぱり出してくることです。
上の例でいえば、
I have something in mind.
(somethingを考えています)
という表現をまるごと覚えておくだけで、上のような表現もできますし、
I have a good plan in mind.
Do you have anything in mind?
など、自由自在です。
パターンを丸ごと覚えると、自然と英語が口をついて出てきます。ボキャブラリーがない!と悩んでいる方は、ぜひ体験してみてほしいです。
効果が実感できると思います。
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ここからちょっとマニアックな話になりますが、興味のある方はおつきあいください↓
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さとみ様から前の記事にコメントをいただきまして、「候補」→「選択肢」というようにまずは日本語を替えるのはどうですか?という提案をいただいたのですが、実はこれはとても難しいことなのです。
一定のレベルに達していない場合、「候補」という日本語の直訳が通じないものだ、ということには気づきません(知りません)ので、日本語を替えるという発想にもならないのです。
かといって、一つひとつの単語について、「候補」はだめだから「選択肢」という日本語に替える、というようなことをいちいち覚える作業をしていると、やはりボキャブラリーは欠かせない、ということになってしまいますが、それはかなり上級の方に向けた学習方法だと考えています。
レベルでいえば、
初級 日本語を英語に直訳レベル
↓
中級 英語脳(英語で考えて、英語で話す)
↓
上級 日本語を適切な英語に替える、もしくは英語を適切な英語に替えることができるレベル(翻訳、通訳レベル)
という大きく3段階あるというのが私の意見です。
初級の段階では、上記で言いましたように、和英辞典などを駆使して直訳の英語を話すため、不自然な英語をよく話してしまいます。文法などを完璧に知っている、まじめな方が陥りやすいです。また、文法やボキャブラリーなど、いろいろ考えないと文章が作れないため、レスポンスの遅さを悩みとして持っている方が多いです。
中級の段階になると、自然な会話ができるようになってきます。よくあるパターンが、英語と日本語がごちゃまぜになってしまってルー○柴のようなしゃべり方になってしまうものです。これは、まだ新しい言葉が習得途中であることを表します。(日本語と英語のマッチングができていない段階)
上級の段階では、日本語と英語の「切り替えスイッチ」が出来上がっているので、日本語・英語どちらも自然な表現で話せるほか、通訳などが出来るようになります。
この記事では、初級から中級にあがるための方法を書いてみました。
多くの方は、初級から上級に一足飛びで上がろうとします。ここに間違いがある、と思うのです。まず、
日本語から完全に英語に訳すことはできない
という考えをもつことは大事だと思います。
言葉と文化は密接に関連していますから、日本語にあっても、英語に存在しない概念もありますし、「候補」のように、言葉の持つ意味の広さが違う場合もよくあります。
加えて、いま存在する和英辞典はまだまだ発展途上です。
ですので、初級→中級でスランプに陥っている方は、まず英語だけでシチュエーション別パターンを覚えることに尽力してみてください。きっと効果がありますよ!