IT保険 | 悠々、のんびり

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ある人から聞かれた。「IT保険とは?」

私も詳しくはないが、いかにもありそうな保険である。

保険とはリスクの回避、軽減のために入るものだが、ITに関してはベンダー側とユーザー側で意味合いが大いに違う。

ユーザー側が入る保険は余り複雑なケースはないのかもしれない。

問題はベンダー側が入る保険だ。

システム開発を請け負った時、うまく動けば何の問題もないが、ベンダー側の過失で不調な事態になった場合。

当然「損害賠償」の問題が出てくる。

そのシステムの内容にもよるし、開発ベンダーの開発環境や体制などにも影響されるだろう。

つまり、保険の契約としては完全にオーダーメードにならざるを得ない。

特約条項も細かく決められるだろう。

そもそも、保険契約として成立するかどうかの審査もある。

例えば、個人情報漏えいの問題が発生した場合、というのもあるだろう。


保険があったかどうかは知らないが(多分なかったと思うが)、「IBMとスルガ銀行」の損害賠償請求の裁判がある。

スルガ銀行の勘定系システムの開発でIBMが開発を中止した。

スルガ銀行は116億円を請求して裁判を起こした。

地裁判決はIBMに対し、74億円の支払いを命じた。

高裁では、その額が42億円に減額された。

最高裁でこれから争われどうなるか。双方が控訴しているので、結果は「0」「42」「74」「116」の4通りが考えられる。

ベンダー側の責任を問う厳しい判決が予想される。

こんな大型になると保険審査はできるのだろうか。


それにしてもシステム開発は何かあると影響が大きい。

そのリスクに備えるには当然お金がかかる。

上場会社でさえ、システム投資にはお金を掛けず、いつまでも手作業でやっていたりシステム化の重要性を軽視している場合が良くある。


備えることができるリスクや災害にはできるなら多少お金がかかっても投資すべきだ。

それが結局一番安上がりなことが多い。

原発もその意味では即廃止だろう。