人気の半沢直樹であるが、後半の部は設定そのものに無理がある。
第7話で、ホテルが「実質破たん先」になった場合、引当金が1500億円にもなるというが、いったいどんな巨大なホテルなんだ。
引当金は担保で回収できない金額だろうから、もっと貸出金は大きいという事になる。
では、日本の代表的なホテルである「帝国ホテル」と比べてみる。
帝国ホテルの数字だが、
年間売上が516億
総資産が651億
固定資産(土地、建物)が約200億
借入金0
と、さすがにすごい。
ところがTVのホテルは、売上が数百億あったにしても、借入金が1500億を超えてあることはありえない。とっくにつぶれているはずだ。
担保もあるだろうから、1500億のほとんどが赤字補てん資金になるが、TVではそうなってはいなかった。
それが120億の株式投資の失敗でいきなり「実質破たん先」というのはどうか。
後半の設定が、ホテル業界だったのはどうもまずかったようだ。
また、1社にそれだけ融資をするという事は、銀行もメガバンクという事になるが、メガバンクなら1500億の引当金が銀行の経営を揺るがすという事はない。
またシステム投資の相手先破たんというのも、かなり無理筋だ。
それくらいでいきなり「実質破たん先」になるということは、それなりの金額(100億以上?)をすでに支払済みという事になる。
1ホテルのシステムでそんな大規模なシステムはまずない。
実際に特許庁のシステム開発が破たんした有名な例があるが、54億円を無駄に使ったということになっている。
特許庁のシステムは何年もかかる大規模なシステムである。
”リアル”を期待したが、それは出世競争とか、銀行の内部事情とかが描かれたということだ。
人気は上がっていく一方だが、個人的には多分前半のほうが面白い。
とはいえ、後半のこれからに大いに期待したい。
第8話は今晩の放送だ。