▼形態
・正面スタンド前から発走
・最初のコーナーまでが180m強しかない
・コーナー4回
・緩やかで広いカーブ
・スタート直後にほんの少しだけ下り坂
・向正面にほんの少しだけ上り坂
・一言で言うと「全体的にほぼ平坦」
・最後の直線は266.1m



スタートから最初のコーナーまでがとても短い。
でもカーブは緩いので、先行馬は他の脚質の馬よりも位置取りがスムーズ。

とくに内枠の先行馬は
他の馬が外に膨れないよう内側に若干切れ込み気味に進出している中、スッと前に付ける事ができたりする。

ただし、デメリットもある。

前述したように平坦+カーブ広いので
洋芝オンリーとは言え前半がオーバースピードになりやすい。

スタンド前発走で、掛かるのも好ましくない。




▽ラップタイム

クイーンステークス
G3 3歳上OP 別定
2020
1:45.9 良
12.1 - 11.2 - 11.5 - 11.5 - 11.9 - 11.7 - 12.0 - 12.0 - 12.0
1着1レッドアネモス  7-7-7-8  35.0
2着9ビーチサンバ  11-10-10-11  34.9
3着2スカーレットカラー 13-13-13-11 34.7

2019
1:47.0 良 14頭
12.2 - 11.9 - 12.1 - 12.2 - 12.2 - 11.9 - 11.5 - 11.1 - 11.9 (36.2-34.5 S)
1着13ミッキーチャーム  4-4-4-4  34.0
2着6スカーレットカラー 9-9-10-10  33.4
3着14カリビアンゴールド  5-7-6-6  33.8

2018
1:46.2 良 11頭
12.1 - 10.8 - 11.5 - 12.1 - 12.6 - 12.5 - 11.8 - 11.3 - 11.5 (34.4-34.6M)
1着9ディアドラ  10-9-10-7  33.7
2着5フロンテアクイーン 8-8-8-6 34.4
3着2ソウルスターリング 3-3-3-2 34.7

TVh賞
3歳上3勝クラス ハンデ 
2019
1:46.4 良 14頭
12.5 - 11.3 - 11.7 - 11.8 - 11.9 - 11.8 - 11.4 - 11.6 - 12.4 (35.5-35.4 M)
1着9ウインシャトレーヌ 3-2-2-1  35.4
2着3ハナズレジェンド  7-7-8-7  34.6
3着5ウインイクシード  6-6-5-4  34.9

札幌2歳ステークス
G3 2歳OP
2020
1:48.2〔R〕良 14頭
12.3 - 11.0 - 11.7 - 12.1 - 12.1 - 12.1 - 11.9 - 12.0 - 13.0 (35.0-36.9 H)
1着13ソダシ  4-4-3-1  36.7
2着8ユーバーレーベン 14-14-5-3  36.6
3着6バスラットレオン  2-2-2-2  37.2

2019
1:50.4 稍重 12頭
12.3 - 11.5 - 12.2 - 12.3 - 12.3 - 12.5 - 12.5 - 12.3 - 12.5 (36.0-37.3 M)
1着6ブラックホール  7-7-9-6  36.5
2着11サトノゴールド 12-12-12-11  36.4
3着1ダーリントンホール 4-3-3-6  37.5

2018
1:50.1 良 14頭
12.4 - 11.7 - 11.9 - 12.2 - 12.2 - 12.1 - 12.3 - 12.6 - 12.7 (36.0-37.6H)
1着3ニシノデイジー 10-11-8-2  37.0
2着14ナイママ  8-8-4-1  37.3
3着1クラージュゲリエ 8-9-12-5  36.8




牝馬限定と2歳戦という違いに加え、
クイーンSは開幕して間もない頃で(今年は開催2週目)、札幌2歳Sは最終週に施行されているので
時計などレース内容に違いがある。

レース内容は2歳と古馬では大きく変わってくるので、連対馬の性質にも違いが見られる。



2歳戦では
馬への負担軽減のためか、中盤以降12秒台で流れている。
でも、この流れって逆に
いわゆるマラソンレースに近い、タフな内容になってしまっているのではと思う。

例えば札幌2歳S 2015年
12.5 - 12.0 - 12.5 - 12.5 - 12.4 - 12.1 - 12.4 - 12.1 - 12.3 (37.0-36.8 M)
1着アドマイヤエイカン 10-10-9-4  35.9

後にステイヤーズSで2着に食い込むアドマイヤエイカンが勝利したのも、今となっては頷ける。

ゆるいペースの連続なので大きな捲りが効くケースも結構ある。
追ってバテないパワーが必要。
4角で馬群のインにいる差し馬は、かなり器用なタイプじゃないと厳しそう。



古馬のレースでは
後半のどこかで加速する展開の時には、やっぱり瞬発力のある馬の台頭が多い。

中盤で大きなスピードダウンのない展開は
札幌2歳と近いものがあるけど、時計はこちらのほうが速いので
持続性のあるスピードが欲しい。
差しも届くけれど、芝の内側が荒れていない開幕などでは4角5番手以内も侮れない。

特性上「自分たちでレースの流れを作る」「要所では自分たちで動いていく」というコース。
なので2歳戦のように、スタートから仕掛けるギリギリまでゆったりペースの連続という内容は古馬重賞では通常は考え難い。馬場悪化時は別として。

古馬の場合は道中11秒台で流れたり、馬場悪化などで前半時計がかかっている時は中盤または後半早めから動き始める馬がいる。
こういったレース展開は、古馬なら中距離馬はもちろん、マイラーでも経験豊富。

中盤付近で流れが変わるケースもあるので、そういった変化が起きても対応が出来るタイプが良さそう。

例え話になるけど
中距離からの参戦が多いタイプの長距離レース(重賞では天皇賞春、アルゼンチン共和国杯、AJCCなど)では、中距離のスペシャリストが臆する事なく自分から動いていくケースを良く見る。
ギリギリまで我慢を続ける内容ではステイヤーにハッキリと利があるので、自分で流れを作ってレースを支配する必要がある。

これと少し似たような事が札幌芝1800mの古馬レースでも起きやすいのかも知れないと、個人的には思っている。



2歳と古馬の違い まとめ
・2歳戦はタフな馬に向いた展開が多い。道中はまるで長距離レースのようなレース内容が中心。捲りもきく。
・古馬(とくに牝馬)は前半から流れる展開もある。そうでない時は中盤または後半突入時あたりから動きがある。2歳戦とは対象的で、中距離戦らしいレース内容。大きな捲りはききにくいけど差しは届く。

共通した傾向
上がり上位の成績は割と良さそうに見える。





▽血統
色分け
ヘイルトゥリーズン系(詳細記載なしはサンデーサイレンス系)
ノーザンダンサー系
ミスプロ系
ナスルーラ系
エクリプス系

クイーンS
2020
1着 ネオユニヴァース × サクラバクシンオー(プリンスリーギフト系)
2着 クロフネ(ヴァイスリージェント系) × サンデーサイレンス
3着 ヴィクトワールピサ × ウォーエンブレム
2019
1着 ディープインパクト × Dansili(ダンジグ系)
2着 ヴィクトワールピサ × ウォーエンブレム
3着 ステイゴールド × Cape Cross(ダンジグ系)
2018
1着 ハービンジャー(ダンジグ系) × スペシャルウィーク
2着 メイショウサムソン(サドラーズウェルズ系) × サンデーサイレンス
3着 Frankel(サドラーズウェルズ系) × Monsun(ブランドフォード系)

TVh賞
2019
1着 ダイワメジャー × クロフネ(ヴァイスリージェント系)
2着 ハーツクライ × Moon Rocket(ロイヤルチャージャー系)
3着 マンハッタンカフェ × ボストンハーバー(ボールドルーラー系)

札幌2歳S
2020
1着 クロフネ(ヴァイスリージェント系) × キングカメハメハ
2着 ゴールドシップ × ロージズインメイ(Halo系)
3着 キズナ × New Approach(サドラーズウェルズ系)
2019
1着 ゴールドシップ × キングカメハメハ
2着 ゴールドシップ × Fusaichi Pegasus
3着 New Approach(サドラーズウェルズ系) × Pivotal(ヌレイエフ系)
2018
1着 ハービンジャー(ダンジグ系) × アグネスタキオン
2着 ダノンバラード × ジャングルポケット(グレイソヴリン系)
3着 キングカメハメハ × タニノギムレット(ロベルト系)



▽向いているかも知れない血統
サンデーサイレンス系 × ダンジグ系
サドラーズウェルズ系 × ヘイルトゥリーズン系




▽まとめ
・スタンド前発走、コーナー4回。
・最初のカーブまで180mくらいしかない。前に行く馬はスンナリ位置が取れるメリットがあるものの、スタート直後に非常に緩やかな下り坂があるのでスピードを出しすぎると後々苦しくなるというデメリットもある。
ちなみに後ろの馬はカーブを曲がりながら位置を取る形。
・クイーンSと札幌2歳は内容や傾向に違いが見られる。
・クイーンSなど古馬レースは大まかに分けると、「前半から流れるペース」「中盤または後半の早い段階から動きがあるレース」。前者なら持続性が問われるし、後者なら仕掛けてからの速い脚が必要。古馬の中距離レースらしい内容がメイン。
・それに対し、札幌2歳はマラソンレースのような展開が最も多い。丁寧に乗り、ギリギリまで我慢をさせている。内容としては長距離のマラソンレースのようなもので、実際に後の長距離馬が台頭した例もある。捲りも効く。
・共通した傾向としては、上がり上位の差し馬が食い込んでいるケースが割と多い。
・向いているかも知れない馬 →2歳なら我慢のききそうなタフな馬。古馬は道中の流れの変化に対応できる、末脚のしっかりした馬。



また気付いた事など随時更新します。





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