注意・圏外地域に遠征していた為、前日から1日ずつアップしております。



9/27(金)


朝の3:00にアラームで起きる。

車止めから山に入るのは5:30だし、前泊なのだが早く起きる。

理由は後攻者への意思表示を兼ねてるからだ。




この時期の、この水域は戦場と化す。皆秋アマゴで必死だ。車があろうが無かろうが、どんどんネジ込んでくるのだ(私はそんな度胸無いから前泊車中泊で場所確保しているが)。

ムクッと起きると、私が寝る時には無かったはずの車が一台、私の近くに停車されていた。


さぁ参った。。。。どうするか。

私の方が早かったから、私が優先的に入渓できるはず。それを理解してくださるか?車中泊までするアングラーだからきっと変態だ。変態アングラーは良い人が多い。気にせずライトを準備し、歯を磨いたりの準備を開始すると。。。。









『おはようございます!』


と大きな声。山奥でのおはようございますはチビった。



するとまさかの有名プロアングラーの方だった。

その方のご迷惑になる為、名前は伏せさせて頂くが某有名プロアングラーの方がまさかの隣にいらっしゃった。


それからその方と夢中になってお話しをさせて頂いた。それはもう本当に貴重なお話ばかりで、時間がいくらあっても足りなかった。

この時点でこの車中泊の旅は最高のものとなった。


魚を釣りたいのは勿論だけど、10年経っても忘れられない旅をしたい。それが今回は達成出来そうだ。

その方は『勿論先に行ってくれ!私は後から入るから』と言ってくださった。

感謝感謝だ。


5:30林道を歩き始めた。

ここは熊の巣窟。

本当に怖い。

熊鈴は勿論、熊スプレーを構えながら歩き、爆竹を数分に一度ぶちかます。爆竹は8個入りを2箱準備した。


30分程で目的の入渓点に到着した。

さぁやるよ。

狙いは秋アマゴ。サイズは40を超すやつ。そしてオスだ。からの赤いやつ。それからの赤黒いやつ。それ以外はいらない。メスはいらない。100歩譲って35以上のサイズ。

なので基本はルアーを投げない。




たまに投げると












こんな奴が釣れてしまうからだ。場荒れするからイワナは頼むから寄り付かないでほしい。
だから基本的に投げない。釣りをしない。
ただただゆっくりゆっくり水の中を歩くだけ。
ウェットゲーターな為、この時期だから体が冷える。けれど機動性を考えればゲーターは外せない。

ルアーをほぼ投げずに、ただただゆっくり歩く姿は異様だっただろう。


事前情報だと今年は遡上が極端に少ないとのこと。
情報通り、秋アマゴは見つからない。
開始一時間、全く見つからない。焦ってきた。
ん~。やはりこの温暖化で遡上が遅れているようだ?
それでも秋アマゴを脅かさない様に、ただただゆっくりゆっくり歩いていると。。。


見つけた。













足元にいやがった!うっしゃぁぁぉ。
まずは写真撮影。
サイズは35程でメスだ。
見てください、尾びれを。
皮は剥げ、肉まで剥げかかっている。
これを考察すると、この個体はもう産卵を終えていることになる。
とりあえずこの個体がどういう行動をするか観察するため、地面に身をかがめこちらの存在をバレないようにした。
メスだし、ボロボロだし、勿論ルアーは投げない。釣らない。ただオスを釣る為の参考資料にさせてもらう。

するとこれからが仰天。
上流から、ノターーー。っとオスが流れてきた!!!!
秋アマゴを見たことがある方は分かるだろうが、奴らはノターーーとしている。逃げる時も下流にノターーーと逃げるし、なんしろノタノタしている(笑)

死んでるのか?と思わせる程、ノターーーっと流れてきてそのメスに張り付いた。そしてペアとなった。オスのサイズは45程。余裕で40は超えていた。そしてなんしろ真っ赤だった。
鮭のように盛り上がった背中をし、真っ赤のオスだった。



ビックリ仰天!たまんねぇ光景だ!
もう産卵を終えて、ボロボロになったメスだけど流れてきたオスとペアになった。
これも先程お会いしたプロアングラーの方から教えて頂いた情報通りだ。
メスの産卵は一回だけではないらしい。
2~3回は卵を産むそうだ。
なのでペアったのだろう。これはチャンスだ。


そこからルアーを投げる投げる投げる。
メスに向かってルアーを泳がせ、オスを怒らせる作戦だ。
もしメスがルアーに反応してしまったら食わせない様に高速回収。
ここでメスに食わせてしまったらオスが消えてしまうからだ。


しかしそれはいらぬ心配だった。
オスメス共に、ルアーにはまっっったく反応しなかった(笑)
その場に数分定位してくれた為、ルアーを投げるに投げる投げる。あれこれ試行錯誤して、なんとかオスに食わせる為にルアーを投入しまくった。


だが。そのペアはノターーーっと岩影に隠れてしまった。
そこから私はそこのポイントに張り付いた。奴らはきっとタイミングを見て出てくるはずだから。

とりあえず一時間は粘ろうと決めた。
今日は平日。頭ハネの心配も無いだろうから、とりあえず一時間と決めてそこに居座ってみた。が、奴らは全く出ちゃこん。
さぁ参ったぞ。







仕方ない。ここは一旦諦めるとしよう。


けどそこからテンションが上がった為、楽しくなってきた(^^)こんな暑くても、産卵行動に入っているアマゴがいてくれたことがテンションを上げてくれた。しかも先程のメスはもうすでに産卵を終えている個体だ。てことは!

さぁズンズン進むよ。

その上のポイントで素晴らしい光景に出くわした。

バタバタバタ。
メスの『ハタキ』に遭遇した!!!
先程のボロボロの個体とは違って、まだフレッシュでまさにハタキの最中のメスに遭遇。
オスは見当たらないが、これは千載一遇の大チャンス。
とりあえず影に隠れて座って様子を伺う事に。
30分程見る。


とにかく飽きねぇ。
野生のアマゴのメスが、命を懸けて砂利を尾びれでハタいているシーン。ほんとに飽きねぇ。神秘的だ。
30分程経過した時だった。やっぱりな!!!!
ガッハハハ!予想通り!

岩影からノターーーと現れた!これでもかっていうぐらい赤いオスが!
そいつも真っ赤だった!

ロッドを手に取り、座っていた体制を中腰になろうと起こそうとした瞬間!!!
ノターーー。
逃げられた。


奴ら(特にオス)の警戒心ときたらもう悪魔的だ。
後ろに目が付いている!?と思わせる程の警戒心の強さだ。
立ち上がってはいない。中腰になろうとした瞬間にはもう私の存在が奴にはバレたのだ。




また私は影に隠れて様子を伺うことに。
それから2時間。我慢勝負だ。30分に一回程、オスの奴は岩影からノターーーと出てくる。
2時間の間、ずーっとハタいていたメス。その働き者のメスに、30分に一回のペースでオスが張り付いてくる。
そしてそこに私がルアーを投入するか、投入する前にノターーーと逃げる。

そんなことを2時間繰り返した。。。。

なんて過酷な釣りだこと。

そして2時間半。我慢の限界がきた。
さすがに私の集中力は途切れた。
よく頑張ったよ。
もう頭きた!!限界だ!もう無理だ!!!

思いっきり立ち上がり、ザブザブ川に入った!そしてオスが隠れている岩影に思いっきりルアーを投入!!ビシビシとトュウィッチをかけてやった!もう憂さ晴らしだ!

さぁ出てこい、この野郎!!!
食いやがれ!!!











イワナが釣れた。だからお前じゃないって。。。

あ~ダメだダメだダメだ。
ルアーを投げる前に秋アマゴには逃げられ、ルアーを投げたら投げたでイワナに食い付かれ、もうどうやって奴を狙えばいいんだよ!!


ここまで4時間程。
目撃した個体はメス2匹、オス2匹の計4匹。
まずまずの目撃数だ。
けれど勝負にならなくてガッカリ。
勝負すらしてくれない秋アマゴ達。


うりゃーーとルアー投げてビシビシトュウィッチして、うわー食わねぇ!

とかなら勝負した気にもなるが、奴らはルアーを投げることすら許してくれない。すぐ逃げるし、トュウィッチなんてしたらもう。。。


しばし放心状態で早くも精神的に追い詰められた。そんな時!!!


上流から目を疑うものが流れてきた。

すぐさま川に立ち込み、ネットで掬った。















素晴らしい。
なんて神々しい姿だ。
産卵を終えて、力尽きたメスの個体が上流から流れてきたのだ。サイズは40はあるだろう。








この炎の様な色。
まさに命の炎が消えた瞬間だった。

土に埋めるかそのまま流すか悩んだが、川で産まれた生き物。そのまま川と一体化するのがアマゴの本望だろうと思いそのまま流すとした。手を合わせてお祈りさせてもらった。


ここまで4時間。釣れないけど、山梨では体験出来ない、絶対見られない光景。壮絶で神々しい光景の数々。
もう圧倒されて、なんだろう?感無量?
本当に感動しっぱなしだ。

集中力が上がった。
こんな素晴らしいフィールドで釣りをさせてもらえてるだけでありがたい。そんな風に思えてきた。

そしてこのポイントから上流は本当に凄かった。
15:00まで釣りをしたが、結局10本以上は秋アマゴを確認出来た。よく覚えていないが、10以上は確実だ。その内、オスだと確信できる個体は5本。素晴らしい結果だ。

結局1日目は秋アマゴを獲ることは出来なかった。
そして10以上確認出来たが、勝負ができたのは午前中の2回のみ。たったの2回だ。
あとはルアー投げる前にノターーーと逃げられておしまい。


9時間やって勝負がたったの2回だよ?
なんて変態な釣りなんだ。


この秋アマゴ釣りは本当に変態の釣りだ。
様々な釣りをこれまでしてきたが、こんな変態な釣りは秋アマゴだけだと思う。
他の釣りはもっと楽しいし、気軽に楽しめる。
秋アマゴは変態だ。


そんなこんなで車に戻り片付けをしていると。。。まさかの先輩が!
山梨でお世話になって可愛がって頂いている先輩が登場!マジでびびった。

すると先輩が『もっかい行こう!』。


ということで日が暮れかかっていたが、再度山に入った(笑)

結局それも釣れなかった。けど大収穫があった。

オスの個体に遭遇。やはり上流から流れてきた。どーせそのまま下流に下るんだろ?と思ったら私の目の前でステイした。
ダメ元でルアーを投げたらまさかの反応!

一瞬マジで食ったかと思った。

一瞬反応してくれたのだ。あともう一息だった。
これは大収穫。明日に繋がるよ。


ということで先輩と別れて、今日という壮絶な長い長い1日は終わった。

とても難しい秋アマゴ達に、心身ともに疲れた。
なのでここからは癒しの時間に突入。








牛を食らうよ!
春先に買ったカッティングボード!やっと出番がきた!今晩は牛ステーキだ!

火を通している間に↓











馬も食らうよ!
山奥で牛と馬を両方食らうぜ。

















たまらん!!!!!うますぎる!!!!

湖の釣りと違って歩きに歩く釣りだがら、腹の減り具合が違う。腹ペコだ。



その腹ペコに牛と馬の肉はドカンと来る。



からの朝お会いしたプロアングラーの方と再合流。21:00近くまでお話しをさせて頂いた。


真っ暗の中、酒をのみながら秋アマゴについて男二人が話した時間。こんなに尊いことがあるでしょうか?


初対面で、住んでるところも年齢も考え方も何もかも違うのに、『秋アマゴを釣る!』という目標が同じということだけで、夜遅くまでここまで語り尽くせるのだから釣りっていう趣味は楽しいしたまらない。

車中泊しているとこういう出会いがたまにある。


ダムでもそう(ダムでは初対面の5人組とバーベキューしたこともあったな(笑))、本栖でもそう、そして今回も。


この時点でもう既にこの旅は大成功していると確信した。


秋アマゴの産卵行動を見れて、個体も10以上確認。山梨の先輩とも会えて、そしてプロの方と夜遅くまで語り合う。



もう既に成功した旅となった。


それでも明日。

土曜だからとんでもなく壮絶な釣りになることは間違いないだろう。

そんな不安と、それでもワクワクする気持ちと、両方思いながら22:00に気を失う様に眠りについた。