何回か見た映画だったんですが、やっぱり超面白かったです。

 

勿体無いのは映画のフィルムが擦り切れてしまって声が聞き取りにくくなってたり、映像が古くなってたことです。

 

主役は志村喬(しむらたかし)さんですが、胃がんを患ってる役だったのでボソボソ声で聞き取りにくくなってる上に、フィルムが擦り切れて更に聞き取りにくくなってしまってました。

 

志村さんは映画「七人の侍」の役のように、本来は低いハリのある声で話す人です。

 

あのボソボソ声はそういう演技でやってます。

 

ストーリーをざっと紹介すると、

 

1、役所で働く課長さんが、胃がんで死期が近いことを知ります。

2、生きる意味を見出すため、生き生きした若者と放蕩を始めます。

3、若者は小さな会社で小さなおもちゃを作っていることが楽しいと話します。(つまり役所はそれさえ作っていない)

4、ここで課長は生きる意味を発見し、ハッピーバースデーの曲が流れます。

5、葬式が始まります。

6、どのようにして課長さんがその後の人生を生きたか、皆んなが回想します。

 

課長さんが放蕩する場面は正直あまり面白くありませんが、この場面がないと、その後の葬式の場面が生きてきません。

 

葬式なのに課長さんは本当の意味で生きるんです。

 

死が近づくほど生きるんです。

 

この対比が凄いです。

 

ヤクザに脅される場面がありますが、

 

「テメェ、命が惜しくないのか!」

 

と言われて、無言でニヤリと微笑むのとか、凄すぎます。

 

そしてよく調べてあるのは、役所は本当の意味で仕事をやりだすと隅っこに追いやられるということです。

 

これは今でも変わってないでしょう。(特に地方の役所)

 

イギリス版のリメークは私は見てませんが、「死が近づくほど生きる」というのが弱くなってるらしいです。

 

これ、日本でリメークしてもらえないでしょうか。

 

生きることや働くことについて普遍的なことを言ってるので、このまま古くなっていくのは勿体無いです。