世界の名監督が選ぶ史上最高の映画ベスト10というランキングで一位に輝いた名作映画らしいので見てみました。

 

ものすごく古い映画で、主演は原節子と笠智衆さんです。

 

笠智衆さんって私が大好きな映画「男はつらいよ」で年寄りの住職役で出てましたが、「東京物語」(1953年)でも年寄り役で、あんな古い映画でも年寄り役って、すごいと思いました。

 

で、話の内容ですが、年寄りが子供たちに会いに実家の広島から東京に出かけていくという、なんてことないお話です。

 

なんていうんでしょう、刺激的なことは何も起きませんし、映像的にも特段すごいものはありません。

 

ですが、一気に惹きつけられ、魅せられました。

 

きっと、子供が見ると「つまんない」と評価するかと思います。

 

しかし、親御さんのおおらかな愛情と、もういい年した大人なのに子供という、年寄りの親の愛情と、その大き過ぎる愛情に気づけない子供。

 

別に誰が悪いとかではないんです。子供は子供なりに親を世話してあげたいんです。ですが大人なのにまだ未熟な子供は、自分が未熟なことには考えも及びません。なんなら親よりも自分の方が偉いと思ってるくらいです。

 

でもお年寄りはそれはそれで受け入れるという達観した姿勢。

 

お年寄りの凄さ、すごいと思わせない凄さに敬服せざるを得ない、お年寄りに対する尊敬を感じざるを得ませんでした。

 

本当はすごい人なのに、すごいと思わせないすごい人、世の中にはそんな人が大勢います。

 

難しいのは、そんなにすごいのに、すごいと思わせないから、なかなか気づけないんです。そこが難しい。

 

世の中のお年寄りや、社会の中で大したことしてなさそうに見えるけど、その人がいないと世の中が回らなくなってしまうような、そんな重要なことをしてる人を探してみよう、そんなことを思わせてくれる素晴らしい映画でした。