ジャックブーヴレスさんて哲学者だそうですが、現代哲学(構造主義)を徹底的に批判している人だそうです。

 

なんでも哲学者は、哲学的なことの証明に科学を利用すると、たとえそれが誤って用いられていたとしても、あっさりと受け入れてしまうそうです。

 

理由は、哲学者が科学的な知識を持ち合わせていないからで、なんの意味も持たない証明を、科学的な知識を織り交ぜながら証明すると、権威ある哲学分野の学術誌にも掲載されてしまったという実例があるそうです。

 

内容についてですが、はっきり言って難しすぎて面白くありませんでした。

作家さん自身の物の言い方が曖昧すぎて何を言ってるのかが非常に分かりにくかったです。

それでも、一応こんなこと言ってるのかな?というのを自分なりに理解した部分だけ書いていくと、

 

1、社会システム、政治システムに科学の「不完全性定理」を用いる

 

2、不完全性定理によって現代の社会・政治システムが否定される

 

3、しかし代わりのシステムを提示するわけではない(ただ否定するだけ)

 

4、否定の論理を正当化するために、アナロジー(類似)やメタファー(例え)を使って正当化する(アナロジーやメタファーは証明には何の役にも立たないが、これは科学的じゃないにも関わらず認められる)

 

5、現代哲学への批判は、「それを理解できない人による妬みの表れ」と見做される。よって、批判の内容についての真偽は議論されない。

 

6、1〜5の論理を利用する人は、ジャーナリズムや知識階層(官僚)に多い

 

個人的に一番感心したのは、特に6の所で、ジャーナリズムと知識階層(官僚)の結託です。

本書ではこれをスターシステムと名付けていて、要するに既得権益層(官僚と天下り組織)による反民主主義的な支配とそれに追従するジャーナリズムの結託を指摘しています。

 

本書は反知性主義を主張するもので、最近の財務省による消費税増税や東電裁判の判決と、それを報じるジャーナリズムの報じ方などを見ていると、納得せざるを得ないものがありました。

 

ただ繰り返しますが、本の内容は非常に難解で、カントとかマルクスの本を自力で読み解く位の気力が必要になるかもしれません。

 

ということで偉そうに内容を書きましたが、自分、あまりにも言い回しが難解なので途中で読むのをやめてしまいました。。