「万葉集」第5巻、梅花(うめのはな)の歌32首あわせて序からの出典だそうです。
その和歌は次の4行です。
初春令月(しょしゅんのれいげつにして)、
気淑風和(きよくかぜやわらぎ)、
梅披鏡前之粉(うめはきょうぜんのこをひらき)、
蘭薫佩後之香(らんははいごのこうをかおらす)
※佩のニンベンは王ですが、漢字が出てきませんでした。
令は元号としての初めての採用です。
漢字の語源辞典を調べると、令の上の部分が「人を集める」または「冠をかぶる様」を表し、下の部分が「人がひざまづいている」さまを表していることから、「人に言いつける」とか「神意を聞く」と言う意味を持つそうです。
中国の漢字の語源を調べると、わりと「命令」みたいなのを思い出して良い印象がないですが、万葉集の場合は日本語の発音から来ているので、この音を借りてるだけだと思われます。
つまり漢字の語源より日本語の音の方が古い。
古典辞典を調べると、「令月」に見られるように、「良い月」、「めでたい月」を表していて、中国の漢字の意味とは大分違います。
つまり、「命令」の令みたいな用途で使われる意味は持っていません。
改めて上の和歌を読んでみると、季節感があって、自然の美しさ、良さが感じられて、これからの発展が予想される、日本人らしくてすごく良い歌だなぁ、と思いました。
