この本、2011年の東日本大震災が起こる前に書かれた本で、主に明治29年と昭和8年の大津波についての記録本です。

東日本大震災が起こった後に、あまりにも現象が似ているとして話題になったそうです。

 

後学のために重要と思われる部分を列挙してみます。

 

1、潮が引く、川の水が引く

  まずは津波にはつきものの定番現象です。

  ただしこの現象は海や川の近くに住んでないと分かりません。

 

2、豊漁になる

  地震の数ヶ月前からマグロ、鰯(イワシ)、鰹(カツオ)、鰻(うなぎ)などが大量に獲れるそうです。

 

3、沖合に青白い怪しげな火が起こる

  地震発生の直前、海上に青白い光が発生するそうです。

 

4、井戸水が変化する

  数日前から井戸の水が赤か白色に変色するか、又は枯れるそうです。

 

5、海から「どーん」と音が聞こえる

  津波の直前に「どどーん」とか「どーん」「どーん」と大砲の様な音が聞こえるそうです。

  吉村昭氏が専門家に聞いたところ、この音の原因ははっきりしないそうです。

 

 

明治29年と昭和8年の津波の被害が特に大きかったのは、田老町という場所だったそうですが、これを教訓として高さ10m、幅数キロにも及ぶ防潮壁が築かれたそうです。

 

この本の中では、教訓としてこれだけのものができたのだから「もう大丈夫」的な書き方がされていたのですが、その後どうなったか気になったので調べてみました。

東日本大震災では、田老町の防潮壁は残念ながら一瞬で破壊され、200名以上の方が亡くなってしまったそうです。

自然の力を思い知らされると同時に、いかに予知と避難が重要かを思い知らされました。