金融機関が日銀に預ける当座預金だけですが、日銀が初めてマイナス金利を導入しました。

高橋洋一先生が仰るには、これは金融機関にとってはしびれる施策だそうで、その理由ですが、

1、金融機関は持ってるお金から金利が取れなくなる
  金利が取れなくなるというより、マイナス金利なので持ってると損することになります。

2、金融機関は持ってるお金を市場に投入せざるをえなくなる
  今まで国債発行してもずっとデフレでした。
  その理由が、金融機関が市場にお金を流さないからだそうです。

3、金融機関は、国債の償還で儲けていた
  金融機関が国債を購入したら、当然ですが何年かすれば満期が来てお金が払い戻されるわけです。
  そのお金が当座預金に償還されます。しかも当座預金に持ってるだけで更に金利がついて儲かるという、美味しい状況でした。

4、今後金融機関は国債の償還金で儲けられなくなる
  1と同じですが、国債の償還金を当座預金にためておいて、その金利で働かずして(運用しないで)儲けていました。
  しかしこれからはそうはいきません。

5、金融機関は運用しなければならなくなる
  2と同じですが、今まで働かずして(運用しないで)儲けられたものが、持ってるだけで損になるので、新たに貸し付けるか株式などで運用することになり、金融機関にとっては厳しい状況になります。
  国内の企業に貸し付ける方向に行けば良いのですが、安易に株式などに走ってしまうと、外資の餌食になりそうな若干の不安は残ります。

6、黒田バズーカではない
  せっかく黒田バズーカをドカーンと打ち上げても、上記のように金融機関のせいでお金が回りませんでした。
  しかし、これからは世間にお金が回ることになるはずです。
  これは例えればトコロテンみたいなもので、個人的に黒田トコロテンと呼びたいと思います。
  黒田トコロテン、小手先じゃないかと言う人もいるかもしれませんが、銀行として出来うる限りの手を打ってきました。
  少なくとも、金融機関だけが儲かるという仕組みを崩したわけで、その点ではものすごく効果がありますよこれは。