松濤美術館スサノオの到来展をやってました。

スサノオの到来って、何を展示するんだ?

とか思いながらあまり期待せずに見に行ってきました。

結果、「思ってたより、いや、かなり凄かった!」です。

なんでも2014年の美術館連絡協議会企画展大賞を受賞した展示らしく、美術館連絡協議会企画展大賞ってのを知らなかったんですが、全国に144ある美術館の協議会が美術館連絡協議会(略して美連協)で、その中でも最も優れた企画展に送られるものだそうで、地味に凄い賞を取ってた展示だったみたいです。

知らなかった自分って一体。。。


で、展示の中身ですが、スサノオって言う位なので中心はやっぱり古事記です。

日本で最も古い書物とされる古事記の原本が見られます。

そして、縄文土器に古事記の話の元になる物が残ってたんです!これが驚きました。

スサノオって、乱暴者で怒ってるイメージがありますが、怒ってるだけじゃなくて、それを和歌に昇華させるし、根(あの世)と天野高原(中間の国)とこの世を行き来できる唯一の神様ですし、泣くことで木が枯れたとする伝説があって、それはつまりスサノオは生命の象徴でもあって、つまり生命、文化、力の象徴であるとか、とにかく古事記についてすごく詳しくなります。

正直あまり期待してなかっただけに、感心しきりでした。

そしてそれだけじゃなくて、平田篤胤って人がいますが、あの人が伝説の世界をかなり真剣に研究していて、あの世とこの世の中間の国があるはず(幽冥界)としてあやしげな人物と交流していたとか、伝説から江戸の学者、はては近現代美術にまでスサノオが影響してるという、本当に素晴らしい展示でした。

大賞を受賞しただけに、いろいろな美術館でやると思いますので、お近くの方はぜひ行かれることをおすすめ致します。