文化の日だからというわけではないのですが、テレビ東京「美の巨人たち」を見ました。

先週と今週は「鳥獣人物戯画」を特集。

「鳥獣人物戯画」って、日本最古の漫画と呼ばれてる絵で、お坊さんが全くのプライベートで描いた作品らしいです。

日本画って、自分的には西洋画と全く異なる要素があると思うんです。

もちろん、ジャポニズムと言って、構図とか、主役を中心に置かなかったり画面からはみださせるとか、2次元に描く俯瞰に描く、淡い色使いを使う等の要素が一時期ヨーロッパですごく話題になったりとかしたのはあって、それは日本人としては嬉しいんですが、私が言いたいのはそういうことじゃないんです。

ジャポニズムは結局のところ、西洋人が自己中心的に、上から目線で日本画を評価したのであって、自分としてはそれ以外にももっと重要な要素があるだろ、と思うわけです。

それは、日本画は滑稽が表現されてることがある、という要素です。

真面目に描いた絵も多いんですが、良く見るとひょうきんというか、猫が戯れてたりとか、おっちょこちょいな人が描かれてたりとか、見て思わずニヤッとさせられる表現がちょいちょい入ってることがあります。

自分、西洋画でそういう要素があるのって、今のところ見たことないんです。

もちろん、みんながみんな日本画を滑稽に描くというわけじゃなくて、菱田春草とか横山大観みたいな、まぁ真面目に研究して、生真面目な絵ばかり描く人もいるわけですが(けなしてるわけじゃないです。あしからず。)、中には歌川広重「鳥獣人物戯画」のような、ある意味力の抜けた絵を描く人もいるわけです。

自分、こういうひょうきんなのを見ると、いかに日本が平和だったか、というのを感じるんです。
(逆に言えばいかに西洋が野蛮だったか、とも言えるんですが。。)

こんな大昔(と言っても12世紀頃ですが)に「鳥獣人物戯画」のような絵が既に描かれていたというのが、日本って本当に素晴らしい良い国なんだなぁ、としみじみ思った次第でした。