プーチンは他国に軍を派遣して、けしからん奴だ!という風潮で日本のメディアは報じるわけですが、一方で、ロシア国民からの支持率は高いです。何故支持率が高いのでしょうか?


以前、革命ビジネス会社、オトポールについて書きましたが、プーチンはこれを逆手にとってロシアの実質的な領土を広げる事に成功しました。

これ、プーチンさんが大好きな柔道から学んでるはずで、うまいとしか言いようがありません。

革命ビジネス(ショックドクトリン実践会社)は、以前も言いましたが、やってることは革命を起こすことで、これは昔の共産主義者と同じことをやっていることになります。

ところが、革命をやる動機としては、昔の共産主義は一応、労働者を守る為という大義名分があったわけですが、オトポールがやっている革命は、単に自分の利益の為で、しかも自分の手は決して汚さないという、動機が不純な上に決して表には出てこないという意味で卑怯です。

そしてクーデターという形で先に手を出したのは革命ビジネスの方です。

せっかく民主化もして安定していたのに、わざわざ自分の金稼ぎのために不安定化させて、血を流させて、私の考えでは、今回の件は革命ビジネス側が決定的に悪者だと思います。

欧米の倫理学の考え方に、「功利主義」というのがあります。

端的に言ってしまうと、「終わりよければ全てよし」の考え方です。

例え殺人を犯そうと思って計画してやったことだとしても、結果、それが人助けになればいいじゃん?

みたいな、ある意味開き直りというか、直感的で無いというか、ひねくれた考え方です。

カントなんかは功利主義とは逆の「義務論的倫理学」みたいなことを唱えていて、動機が良くなければ駄目だろ、みたいなことを言った人で、こちらは直感的に納得がいく考え方だと私は思うわけです。

で、そんなひねくれた考え方の「功利主義」ですが、今回は今の所結果が悪くなってるわけなので、動機が悪い上に結果も悪いと言う、功利主義的には大失敗です。

一方、手を出してきた相手の力を利用して倒すという、柔道的な考えを実践したプーチンさん。

こちらはロシア住民を守る為という、一応大義名分もありますし、結果、クリミア半島を含め、実質的にはロシアの領土を広げることに成功したプーチンさんの勝利ということになります。

これがロシア国民から支持されないわけがありません。


日本にもプーチンさんみたいな政治家、いないものでしょうか。。。