ソクラテスやプラトンさんは民主主義では物事が進まないから駄目だと考えていました。(当時のギリシャは民主主義体制だったそうです。)

じゃ、どんな政治体制が良いと言っていたのかというと、専制政治が良いと言っていたそうです。1人や数人の、「知恵や勇敢さや博愛」などを持った理想的な人間が国を統治する政治体制です。

歴史に名を残す哲学者達がこの様に言う事ですし、確かに今の日本は民主主義ですが、ねじれ国会とかで本当に物事の進み方が遅いので、ごもっともと言いたくなります。

ところが、専制政治は、「理想的な人間」が国を統治するというのが問題で、理想的な人間国を統治するという権力欲は持たないですし、そもそもそんな「理想的な人間」が一体どこにいるんだ?という点で根本的に誤りで、残念ながら現実世界を見ればそれは明らかです。


一方、資本主義(民主主義と言っていいのかな?)ですが、こちらはグローバリズムを強力に推進する人達で、実は裏側にキリスト教が関わっていまして、プロテスタントの人達が、神様に選ばれた人達は運命?じゃなかった、なんて言ったか忘れてしまった、、あ、予定説です。神様に選ばれた人達は、神様は万能でなんでも知っているから、その人達が繁栄するように予めいろいろしてくれるんだよ、という発想で、「金持ち=神様に選ばれた人達」という思想につながりました。これが金持ちを目指すという資本主義のそもそもの始まりです。
つまり、グローバル資本主義とは、神様のはからいで、全て神様に任せておけば世界は発展するんだよ、という思想です。

ちなみに言えば、「神様を信じない人々」、この人達はそもそも神様が見えないんだから人間ではありませんよ。だから動物と同じ扱いで良いんだよ、という発想から奴隷制度が始まりました。

そんなことはどうでも良いんですが、専制政治と資本主義は、どちらも「理想的な存在」理想的な人間、または神様)を前提としているという点で共通しています。


ところが、例えば、1口に「理想的な人間」と言っていますが、理想って、例えばぽっちゃりした人が好きとか、痩せた人が好きとかあるように、人によって全然違います。
それなのに全部一緒くたにして理想的な人間としてしまってるのが矛盾してますし、ましてそれが国家国民にとって理想的な人間なんているわけありません。
神様もそうで、残念ですが私も神様に一生懸命祈ってなんとか今日も1日良い日でありますようにとか祈り続けた時期がありました。でも何にも良くなりませんし、むしろ悪い事を意識しているのでどんどん悪化するばかりで、とうとう神様なんているわけがないと確信するようになりました。

ということで、神様を理想とするグローバリズム資本主義も誤りです。この点では、ナオミクラインの「ショックドクトリン」に私は同意するわけです。

あ、書き忘れてました。ナオミクライン「ショックドクトリン」という本の感想書いてます。

「ショックドクトリン」はグローバリズム資本主義を徹底的に非難している本ですが、ナオミクラインさんの本に書かれてあることは、共産主義国家(専制政治体制の国家)がショックを与えられたことによって残酷な事が行われて政治体制が変わり、国民の格差が広がって搾取されるようになったというお話ですが、惨事便乗型資本主義は基本的に元共産主義国家や独裁国家ばっかりなんです。じゃ、その前は国民は虐げられてなかったかと言えば、やっぱり虐げられてたんです。
ただ私の記憶が正しければ、唯一例外的なのは韓国で、韓国だけは元々民主主義国家だったのにグローバル資本主義に乗っ取られてしまったかわいそうな国家です。

あと、これが日本の震災にどう適用されたのかを考えると(その為にこの本を読んでみたんですが)、この本にある様に誰かが拷問を受けたとか、殺されたとか、政治体制が転覆するような事態は一切起こってないんです。そういった意味では一応惨事便乗型資本主義は理性を保ったというか、日本のような民主主義国家にまで手を出すということはしてないみたいなんです。(この本が出たおかげで警戒しただけ?なのかもしれませんが。)

そういう感想を書こうとしていたところ、三橋貴明さんが(私、すごく勉強になるのでこの方好きなんです)、電気料金の買い取り制度(余った電力を電気会社が高値で買わなければならない制度)について、ソーラーパネルは外資が強い上に国内に労働者が必要ないから外資が大規模に太陽光発電をすれば、日本の電気料金が国外に出て行って非常に危険だと仰ってました。

これ位が唯一?日本でショックドクトリン的なものが行われた形跡みたいなものなんですが、ただこれに関しても日本の企業が頑張って自然エネルギーを生み出す設備を作れば良いわけですし、本当にやばければ法律を改正したり元に戻せば良いわけですから、これによって本に書かれてあるような、グローバリズムによって日本が支配されてしまう、ということが起こる可能性はそんなにないんじゃないかと思うんです。

ということで、「ショックドクトリン」を読むと、何やら陰謀めいたものが働いていて、世界が一部のグローバル資本主義者によって支配されてるんじゃないか?と心配になってくるんですが、今のところ民主主義国家は(韓国は例外として)そうはなってないという私の感想でした。

ただし、今TPP交渉が行われてますが、もしTPP実施後に震災が起こっていたら・・・とか、想像するとちょっと心配なんですよね。
もしかするとその為にTPP交渉に参加させて、次の(確実に起こる)震災に備えてグローバル資本主義者は何か用意しているのかもしれません。。