人間というもの


夜眠れなくなって

暗い部屋で思う

人間というもの


わたしも人間だ

人間

人間の不思議

たとえば

口が悪い人でも嘘がない人

言葉が優しい人でも嘘をつく人

ぶっきらぼうで
人に興味がないようで愛のある人

いじめられっ子になる人
でもしたたかで
できたら
世界をひっくり返し天下をとりたい人

優しくてまっすぐに
優しい人

どうしても人を上から見てしまう人
それでいて寂しがりやな人

ものすごくお金が欲しい
ものすごく賞賛が欲しい
そのためにいろんな方法を考える人

愛情深い人でも
エコヒイキしてしまう人

人をいじめないと自信が持てない人

怒りっぽい人
そして相手の気持ちに興味がない人

愛したくて愛されたい人

幼子のようにただ仲良くしたい人

わたしはどんな人だろう
わたしはどんな人間だろう


わたしはとても深いところで
人間がこわい

子どもの頃に
幼稚園児の時に
自分の優越感のために
お母さんに
友だちの悪口を言ったことがある

その友だちを
お母さんが嫌いだったからだ

でもその時
襖を挟んで
その友だちが
わたしの言った
悪口を聞いてしまった

わたしは恥じたけれど
遅かった

わたしはその友だちが嫌いたっだわけでも
見下していたのでもなくて
お母さんに
愛されたかっただけだった


わたしは小さい時に
人を傷つけた
謝ることもできなかった

わたしは自分の中の人間を恐れた
なぜなら
人間は
とても小さなことで
取り返しのつかない傷を
誰かに
与えるかもしれないからだ


こんなにも
まだその時の思いが残っている

だから
人間を
どこか恐れている


そして
だからこそ
人間が
わたしに
犯しうる
侮辱や嘘
まやかしやごまかし
裏切りや 暴言も
どこかで
赦せてしまう


それは決して
許し
ではなく
赦し
である

相手を
蔑んでいるのではなく
人間の
悲しい性をわかっている

みんな
とても大切な
理由があるのだ

人間のする
いろいろなこと
罪も
含まれるような
いろいろなこと

それにも
その人にとって
なにか
大切で重要な意味と目的があるのだろう

ただ
今日
この眠れない夜に

わたしは思う


人間に生まれ
人間として
生きている今

誰もが
完全ではないため

人間という
生き物を
作った
創造の神が

わたしたちに
苦しみや
孤独や
悲しみを与え

またそれを通して

深い喜びや
感謝や
愛情を
深く
知るという

学びを
成長と気づきのために
くださったのかもしれないと


数えきれない
何十億人という
とても沢山の人間がいる中で

今日
明日
もっと未来に
わたしに
出会ってくれる人たち

そして
過去
長い間
わたしと一緒にいてくれた人に

心からの

ありがとうを
伝えます

人間に生まれてきて
よかったと思える
今日を
明日を

心を込めて
生きてゆきます