ありふれた言葉で紡いだ詩


白いジャスミンの首飾り

淡い雲の枕

青い空の音楽

明け方に響く
澄んだ
ツグミの声

夜露が
流れた後の
清らかな若葉

あなたに
届けたい


一生を
ひたむきに生きた
その手には
労働の証しがあり

あなたは
誰かを守り
安堵の場所を
温めるために
夜明け前に出かけた


わたしは知っている
あなたは
心臓を
鉄で作り
大きな海を
沈むことなくゆく
船に命を灯した


あなたは無名の
あなたは
ただ一人の男
あなたは父であり
夫だった


休みの日にはタバコを
美味しそうに吸い
笑う
朗らかな人だった

あなたに

届けたい

あなたが好きだった
菓子パンと
牛乳


孤独だったかもしれない
いくつもの日々と

悩んでいたかもしれない
多くの時と

幸せだっただろう
普通の平凡な日々に

リボンをかけたい


あなたは
立派だった

あなたは生きて
あなたは育て
形づくり


愛し
清めては
直した


無口な眼差しから
表れる笑顔


いつまでも忘れないよ

あなたは海

大海原をゆく船

あなたは光


そう
もう本当の光になって
昇ってゆく


さようならは言わない

あなたの人生に
花を
白い花を飾ります


ジャスミンの飾り

淡い色の
雲の枕

この香りの中で

いつまでもお幸せに

いつか

また会いましょう

お父さん