定食屋「雑」 / 原田 ひ香
ある日突然、夫から離婚を切り出された30歳の沙也加
その夫が直前まで毎日のように通っていた定食屋「雑」
店主は70代の女性、客もほとんどが男ばかり
夫がここに惹かれた理由を探るべく、パートとして働くことに
様々な客と触れ合ううちに沙也加は
夫がなぜ出て行ったのかがわかるように・・・
読み始めてすぐに絶叫した
これこれこれ~っ!
こういうのが読みたかったんだよ~
「ランチ酒」「三人屋」ひ香さんの黄金期を彷彿とさせる舞台設定
前作「喫茶おじさん」のスケールをひとまわり大きくした感じ
まさにこれが私の求めていたひ香さんだ
「三千円の使い方」以降の悪い流れを断ち切ってくれた
「木造の屋根がひしゃげ、斜めになっている。
壁は一度火事にでもあったのか、というほど濃い茶色だ。」
この表記を読んだ時、以前行った定食屋のことが頭に浮かんだ
でもね、こういうのが、おじさんゴコロをくすぐるのだ
こじゃれたカフェなんかより何倍も落ち着くのは
私のような昭和の化石のおじさんだけだろうか
表紙絵にあるのはコロッケ定食
手作りのコロッケ、食べてみたい!
付け合わせのスパゲッティも、いい味出してる