あめつちのうた / 朝倉 宏景
この本を紹介した時に、コメントでふたりの方が
薦めてくれたので読んでみた
高校三年間、野球部のマネージャーをしていた大地は
父親との確執から東京を出て大阪へ
就職した阪神園芸は阪神甲子園球場の整備をする会社
グラウンドの整備なんて誰でもできると思っていたが
その奥深さに戸惑いながらも頑張る姿が描かれている
雨はグラウンド整備の天敵かと思っていたが
実は雨が降らないと、いい芝生・グラウンドはできない
雨と土がいい状態で組み合わさって、いいグラウンドになる
タイトルの「あめつちのうた」そして主人公の「雨宮大地」
ふたつにかかっている
「土やろうが、心やろうが、思いっきり掘り起こしてしまえばええんや。
心に傷がついたんなら、天と地を丸ごとひっくり返して固めてしまえばいい。」
耳障りのいい言葉で慰められるより厳しい言葉をかけてもらった方が
私の場合、シャキッとする
これ以外にも、ハッとする言葉がたくさん出てきた
いい小説だった!読んでよかった!
お笑い芸人・いけだてつやさんのネタで
すっかり有名になった阪神園芸
けが人を担架で運んだり、校旗を人力で上げたり
整備以外に様々な業務があることに驚いた
著者の朝倉宏景さんは元高校球児とのこと
本書以外にも野球関連の著作が多いのも頷ける