ネコシェフと海辺のお店 / 標野 凪

 

 

うたた寝から目覚めると、いつの間にか海辺に来ていて

目の前には一匹のサバトラが二本足で立っていた

 

「俺は料理上手なネコシェフさ。

 あそこで店やってるんだけど、寄って行かないか?」

 

彼の作ったおいしい料理と、とりとめのない話を聞いているうちに

いつしか悩んでいたことなど忘れて・・・

 

現実から逃げ出したいと思っている者のみ、この店に来ることができる

そして悩みが解決した瞬間、現実世界に戻っている

 

「あんたの本当の気持ちは、もうちゃんと決まっているんじゃないか?

 ここにこられたっていうことは、そういうことさ。」

 

説教するわけでもなく、特別な秘策を授けるわけでもないのに

ネコシェフと話していると、いつの間にか悩みが解決している

 

誰かに悩みを打ち明けた時点で、既に悩みの半分は解決しているのかもしれない

大切なのは話そうとする勇気、そして自分で決めること