令和ブルガリアヨーグルト / 宮木 あや子
「株式会社 明和」に就職した由寿は
広報部で社内報の制作を担当することになる
「明和ブルガリアヨーグルト五十周年」特集のために
関係社員にインタビュー取材を行ってゆくのだが
慣れない仕事に戸惑う、そんな時先輩からこんなひと言が
「食べ物を売る会社にいる人は、誰かに『美味しい物って何?』
って訊かれたとき、『これが美味しいです。』って答えられるように
身を持って美味しいものを食べておいた方がいいと思う。」
「私たちにとって、いろんな美味しいものを食べるのは
ただの贅沢じゃなくて、れっきとしたお仕事の一環なの。」
この言葉を受けて由寿は改めて
この仕事に真摯に向き合おうと決意する
この表紙絵とタイトルを見ただけで
あの有名なロングセラー商品が浮かぶ
でもちゃんと巻頭に断り書きがある
あの商品の50周年である某企業の
取材協力のもと執筆した小説であると
う~ん、潔い、安心して読める
宮木さんは「校閲ガール」以来二冊目
お堅いお仕事小説かと思いきや
プロローグでは乳酸菌たちの会話で和まされ
もやしもんのオリゼー君を思い出した
このタイトルを見ると瞬間的に、あのCMソングが脳内を流れる
思えばあの時以来日本人にはヨーグルトと言えばブルガリア
という図式が刻み込まれたのだと思う
でも実際はそんなことはなくて
トルコ料理やギリシャ料理にも
ヨーグルトはふんだんに使われている
どこかのテレビ番組でトルコの方がブルガリアよりも
ずっとたくさんヨーグルトを食べていると
憤慨していたのを見た記憶がある
実は今年の1月からテレビ東京でドラマとして放送されていた
うかつにも見逃してしまった!痛恨の極み・・・再放送あるかな