会社の同僚のドライバーが突然入院した
前の日までピンピンしてたからビックリ
病名が心筋梗塞だと聞いて、またまたビックリ
確かまだ45歳のはずなのに・・・・
彼は1か月ほど会社を休んだ後、ひょっこり顔を出した
一見元気そうに見えた
ふだんから冗談を言い合う仲だったので
この時も私は軽口をたたいた
「生きてたか?心臓病なんてキャラじゃないじゃん。
殺しても死にそうにないやつだって思ってたのに。」
彼はしばらく間をおいてから答えた
「でも今ちゃんと、こうして生きてますから。」
ん?何だかいつもと違うナ
その時は気にも留めなかったが
彼が帰った後、上司から病名を聞かされて驚いた
何とか言う難しい心臓の病気で
5年生存率が30%だとのこと
やっちゃった!
あれは大失言だった
その後、結局彼は仕事に戻ることなく退職となり
あいさつのために再び来社した
背負っていたデイパックには、ヘルプマークがついていた
私は、あいさつを終えて帰ろうとする彼の下に走り、言った
「こないだは悪かったなあ、病気のこと全然知らなくて。」
それを聞いて彼は明るく答えてくれた
「そんなこと気にしないで下さいよ。あれは誉め言葉だと受け取りましたから。」
こんな状況にもかかわらず、彼の優しさが身に染みた
私は万感の思いを込めて彼に告げた
「病気のこと聞いたよ。でもさ必ず治るから、希望を捨てたらだめだよ。」
それを聞いた彼は、ひと呼吸おいて言った
「カールさんのこと好きだったから、もっといたかったけど
もう運転できそうにありません。すみませんでした。」
そう言って彼は静かに去って行った。
うれしかった
そう言ってもらって、本当にうれしかった
と同時に、病気の回復を心から祈った
今回の件で学んだことがある
一見元気そうに見えても
深刻な病を抱えている人が世の中にはいる
病気明けの人に軽率な言動は慎むこと
心に深く誓った