これまでタクシーの予約をしたいと思えば、コールセンターに電話するのが当たり前でしたが、最近はスマホ用のアプリが出てきて、仕事でタクシーに乗る機会が多い層には人気があるみたいです。

うちのとある同僚も、中長距離を乗る場合はもはやそのアプリが必須だと言っていました。

使い方は、アプリによって微妙に違うものの、基本的には現在地と目的地を「口頭で伝える」事によって依頼として登録され、すると最寄りのタクシーの運ちゃんが折り返し連絡をくれるという仕組みのようです。ただ、中国語の発音に自信のない外国人には、少しハードルが高いなぁと思って、自分自身はそのアプリは使っていませんでした。

上海にいると、あまりタクシーに乗ることもないので、そんなアプリの存在も記憶の片隅に辛うじて残っている程度でした。しかし、先日乗ったタクシーで、意外にすごい仕組みなんだなと気付かされました。

乗車中、時々、いや、ほぼひっきりなしにクラクションを模した効果音が聞こえてきて、それに続けて時には合成音声で、また時には依頼者の生声で、現在地と希望の行き先が伝えられます。

なるほど、タクシーの運ちゃんはスマホの画面をずっと眺めている訳には行かないので、音声で聞こえてくれた方が都合が良いわけです。となると、依頼者が直接声に出して依頼すれば、合成音声に変換する手間が省ける。よって音声を録音するという選択肢があらかじめ用意されていると。

ただ、これだけだったら、ふーんで終わるだけなのですが、さらにもう一段仕掛けが隠されていたのには驚きました。

依頼者の生声で依頼した場合でも、音声認識を使って、現在地と目的地を認識しているのです。もし場所が特定できた場合は、即座に距離を計算して「××公里」と合わせて伝えていました。時々距離を言わないときがあったので、これは音声認識に失敗したか、地図情報に登録されていない場所が伝えられたと考えられそうです。

これは、大物狙いのタクシーの運ちゃんたちからすると、距離も併せて伝えてくれば、そのアプリを使おうというモチベーションにもなるわけで、実は物凄い練られた仕組みなんだなと感心しました。

先に書いた同僚の証言「中長距離の場合は必須」というのも頷けます。

現に、自分がタクシーに乗っている間に、南京西路某所から江蘇路という、地下鉄の駅で言えば2駅程度の近距離の依頼が入っていましたが、距離が近すぎて誰も名乗りを上げなかったようで、乗車中何回も連呼されていました。

こういう時は、生声の依頼だと聞いてる方が切なくなってきます。(笑)

このアプリというか、アプリを取り巻くエコシステムが、中国発祥なのか、どこか別の国のものを取り入れたかは分かりませんが、独自の発展を遂げたことは間違いないでしょう。中国はパクリばっかりと思考停止になるのは良くないなと感じた出来事ではありました。

(2013.7.19追記)
実際に自分が使う機会が出てくるか分かりませんが、ものは試しでアプリを1つインストールしてみました。Google Playでいちばん評価が高いやつです。これはタクシーを利用する側用、これとは別に同じアプリの司机版(運ちゃん用)も無料で用意されていました。運ちゃん用は有料でも良いような気がするんですけどね。どうやって採算取ってるんだろう?

$上海に戻っても相変わらず平社員な男の日記-1374184849919.png

画面を見る限り、自分の現在地を地図上で指定、または入力、または音声でどこからどこまで行きたいかということを伝えられるようになっていました。その前に設定で、自分の携帯電話の番号と送られてくる認証コード、あとは運ちゃんがなんて呼んで良いか困らないように名前(偽名でも可)を登録することになっています。

今度、出張で自宅から虹橋空港に行くときに試しに使って見ようかなという気にさせられますね。これなら、路上に出なくても、マンションの階下まで車を回してくれるはずなので。。。

Android携帯からの投稿