先日、うちのマンションのエレベータやエレベータホールのところにこんな張り紙が出ていました。財布を落としたようです。

LOST WALLET

If found please call

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エレベータは二基だけですが、各階のエレベーターホールに貼り出したのかと思うとすごい労力だななんて思いながら、興味本位で上の階と下の階を見に行ってみると、貼り紙はなかったので、おそらく落とし主は偶然にも自分と同じフロアの住人(消去法で一軒に限定されてしまうんだけど)という事のようです。

とはいえ、ここは中国です。落とした財布はそもそも戻ってくるような土地ではない英語だけで書いても、それを理解できる人がどのぐらいいるのか?という気がします。ちなみに、うちの嫁は

嫁「あのドアを開いてはダメの意味と思った」

何か英語が書いてあるということで、もう自分の視界から消し去った模様です。

・・・字を読まないにもほどがある(笑)

これは極端だとしても、中高年では貼ってあっても意味が分からない人がほとんどだと思われます。

そんな貼り紙も3日ほどではがされていました。財布が届けられたのか、はたまた携帯の番号さらしてイタ電が止まらなかったのかは分かりません。基本的に中国で貴重品をなくした場合は、戻ってこないと考えるしかありません。

何せ戻ってきたら「美談」になります。キリッ)

さて、今朝のことなのですが、外で朝食を買って部屋に戻ろうとしたときに、エレベータの中で、やけに思い詰めた表情で携帯の画面を見つめる中年女性に居合わせました。自分の部屋の階がすでに押されていたので、同じ階に向かうようです。自分の部屋のある階に到着せんとするときに、その女性に声をかけられます。

一瞬、怪しい何かの物売りではないかと身構えたのですが、意外な台詞が飛び出しました。

女性「你看懂英文吗?」(英語分かりますか?)

分かるよというと、それまでしげしげと眺めていた携帯の画面を見せてくれます。それが英語で書かれていて、彼女には意味が分からなかったようです。"Hello Ayi,"で始まる書き出しで、この女性がどこかの部屋で雇われているアイだと理解し、部屋の住人から短信で何か指示をもらったものの内容が分からずに途方に暮れていたのだと察しました。

内容的には、大して難しいことではなくて「テーブルの上に100元札置いておいたから、クリーニング店に行ってスーツを受け取ってきて」という程度のモノで、一通り説明すると必要以上にアイに感謝されて、こちらが恐縮してしまうほどでした。

自分と同じ階に向かおうとしていた事から、おそらくこのアイは、件の「お財布落としました」貼り紙を出した人の家に雇われているものと思われます。自分たちよりも少し早く入居したので、中国滞在歴は7-8ヶ月といったところですね。まだ中国語で意思疎通を図るのは難しいということでしょう。

ビジネスは英語で出来ても、やはり生活をする上では現地語習得は必須だなと思わせる出来事でした。