J.S.バッハ作曲の15曲から構成されているインヴェンションは、バッハも含めてバロック作品の入門として学習する事が多い曲集です。
日本のピアノ教育では練習曲のツェルニーやクーラウ、クレメンティ等のソナチネをある程度勉強してからインヴェンションに触れるのですが、作品の年代や音楽様式の歴史を考えるとツェルニーやソナチネは古典に分類されるので、古典以前のバロックであるインヴェンションから触れるのが筋なのではと思うものです。
しかし、実際にインヴェンションは複数の旋律が同時に演奏されるポリフォニーといわれる慣れないと頭が混乱する奏法なので、この曲集で行き詰るとピアノが嫌になる場合があります。
それでもインヴェンションは基本、左右の手による2声なので、この時点で後に登場する3声のシンフォニアや多声の平均律をもスムーズに演奏できるよう、ピアノ学習者の方にはインヴェンションの15曲でしっかりと対位法を身に着けて頂きたいと思います。
ちなみに当方がインヴェンションを初めて勉強したのは小学校低学年時の発表会で演奏した第8番ヘ長調でした。この曲は比較的易しく、音楽も歯切れよく快活なので、楽しく練習できた覚えがあります。
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