ケルンと言えば? 


そうです、普通なら大聖堂と答えます。 ドイツではDOM(ドーム)と言います。


そういえば昔、ガンダムにでてくるドムを検索しようとして、ケルンの大聖堂がでてきたときには驚きました。

(そうしてそんな言葉を検索したかは、自分でもよく分りません・・・)



さて、ケルンです。



いつか、大聖堂についても書きたいと思うのですが、ケルンといえば、私はアノニター教会(Anoniterkirch)です。 おそらくケルンに観光にくる人は間違いなくほとんどの人がこの教会の前を通ります。


なぜかというと、ケルンのお買いもの通り、ホーエー通りから右に折れた

Schildergasseという大通りににこの教会があるからです。

しかも、この教会の横には、何とか言う近代的な建物のお店までありますから、まずは見つけるのは難しくありません。


その日、私は何の気なしに、その教会に入りました。


そして、見つけてしまったのです。


な、なんと、そこにはエルンスト・バルラハの有名な「ただよう天使」があったのです。


ただよう天使1


本当にびっくりしてしまいました。 私はこのエルンスト・バルラハが大好きで一度この作品を見たいと思っていたのですが、この作品はバルラハが晩年くらいしたギュストロという北ドイツの町の大聖堂にあると知っていたので、わざわざそこまで行かないと見れないものと、ほとんど諦めかけていたのです。


そして、よく調べてみると、意外なことがわかりました。


実は、このギュストロ大聖堂の戦没者記念碑に置かれていたオリジナルは、1937年ナチによる廃退芸術運動のために回収されてしまい、すでに熔解されてしまっていて最初の作品は残っていないとのこと。


ところが幸いなことに、この鋳型が無事であったために、バルラハはこの鋳型から二つ目の作品を作り上げて、戦争が終わるまでかくしておいたのです。 そして、1952年この第二番目のこの作品は、ケルンにあるアノニター教会に置かれているというのです。


もちろん、現在ギュストロにも同じ作品が置かれていますが、これは1953年にこのケルンの作品を元にして再生されたものなのでそうです。 これには本当に驚きました。



しかし、じつはこの作品日本では「ただよう天使」として知られているのか、ウィキペディアにもそう記されていましたが、もともとのタイトルには天使という言葉はなく、ただ、ただよう人、浮かんでいる人という意味です。


で、この浮かんでいる人は誰かという言うと、バルラハと共に活躍していた友人の作家であるケーテ・コルヴィッツという女性です。

ただよう天使2


ケーテ・コルヴィッツについてはいつかまた書きたいと思うのですが、日本でもこの人の作品が見れると思います。たしか、小淵沢にあるフィリア美術館で常設展をやっていると思います。 このケーテ・コルヴィッッツの作品を見た時の衝撃は今でも忘れることができません。


このただよう天使の下には第一次と第二次大戦の戦没者を記念碑が置かれています。バルラハ自身、戦争前は積極的な戦争支持者だったのですが、自分の戦争経験をとおして、戦争反対派へと大きく転身します。


そして、同じような働きをするケーテから自分自身も多くの慰めをうけたのでしょうか。自分が受けた慰めが他の戦争で死んでいった人たちにもあるように。そんな意味で、この記念碑の上に置かれているのかもしれません。



ケルンを観光する際は、ドームもいいのですが、ぜひ、アノニター教会も一度よって実物を見てください。




ドルトムントの祭壇

少し前のことだが、大晦日の日にドルトムントを訪れた。


日本でお世話になった先生を訪ねるつもりでドルトムントのホテルに予約したのだが、この日

先生が風邪をひいてしまい訪問することができなかった。


けれど、せっかくホテルをとったので日中町を少し散策することにした。

年末のすごい人ゴミの中、あまりの人の多さに驚いたのだが2時を過ぎた途端

さきほどまで人でひしめいていた街も、人影がまばらになってきた。


2時ですべての店が閉まるというのは、日本人には考えられないがドイツではそういう古くからの習慣が

いまでも残っていて、みんながそれを守っている。


時間もあるし、他にいくところもないので街の中心に聖マリンオルディ(St.Reinoldi)という大きな教会をのぞいてみることにした。



静まり返った礼拝堂の中は、この日の夜に行われるシルベスターの礼拝の準備をしていた。


あまり予定していない飛び込みで入った教会では、時々思いがけない素晴らしい作品で出会うことがある。


これが旅の醍醐味ともいえるが、ここもそのひとつだった。


内陣の奥にそれほど大きくはないが美しい祭壇がおかれている。

その祭壇の右側と左側に広げられた羽の部分には、見るからに中世の雰囲気を残した絵が描かれている。


向かって右側がキリストの受難をしめす、道行きの8枚の絵

左側には聖母マリヤの生涯を示す8枚の絵

そして祭壇の中央の彫刻も素晴らしい作品だ。


パンフレットによる説明によるとこの祭壇は十五世紀初めのもとで南オランダ(フランダール地方?)か

または、ライン川下流地域のものだとされているが作者は分かっていない。


中世の作品というのはよほど有名な作家の作品以外は、地域は特定できても名前は特定することができない。


できないというよりは、する必要がなかった。


ルネッサンス以前のキリスト美術は、それまで誰の作品かということに興味はなかった。

ルネッサンスに入って、人々はそれまでの禁欲的な世界からの解放を願って、それまで知らされていないことがらに興味を示し始め、隠されたことを知ることを求めるようになった。



そういうわけでこの祭壇も作者は不詳なのだが、だからと言って決して有名な作品などに見劣りすることのない美しさを尋ねる人々に見せてくれる。




ただ、残念だったのは、この作品、礼拝の準備中だったためあまり近くで見ることができなかったこと。


またドルトムントに立ち寄ることがあれば、もう一度時間をとってゆっくり味わいたい作品だ。

まだドイツでは元旦なのに・・・・



もう二日になってしまったのね、日本では・・・



さて、ここではドイツやヨーロッパ各地で出会ったキリスト教美術を紹介していきたいと思っています。


でもまだ、始めたばかりなので使い方がよく分りません。


元旦に気持ちよくはじめたかったのですが、残念 ^^;