11/⑴/1章/『スコ史』 | 藤原の田中のブログ

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 しかし、こうした一般化は制限を受けなければならない。 すなわち、山国だからといって貫通できないわけではないのである。今日、グランピオン山脈は自動車によって横切ることができる。すなわち、ストーンヘイヴンから出発して、いわゆる「スラッグ道路」(訳注1)を経由するルート。あるいは、フェタカーン発ケアン・オ・マウント経由のルート。あるいは、ブレアガウリー発グレンシー経由のルート。これらのルートはいずれもディー・ヴァリー(ディー川流域地帯)に至る。さらに西へ行くと、ドラモヒター山道がある。そこは鉄道や幹線道路が走っていて、スピー川の源流にまで行くことができる。グレート・グレンと西海の間にある丘陵地帯は、良質の道路によって貫かれており、その道路はグレンモリストン、グレンゲリーを通り、グレン・シールを経由している。これらの主要幹線道路のほかにも小さな道路がたくさんある。こうした道路は比較的現代的である。なぜならば、昔のハイランド人は幅の広い公道を好んだからだからである。しかし、彼らは自分たちだけの山道ももっていた。その多様性は『スコットランドの牧道』(原注1)に関する本の中で示されている。しかし、それでも起伏の多い地形が互いの連絡を妨げるわけではないにしても、それは連絡を難しくするのである。今日に至るまで、西海岸の峡谷には、陸から行ったよりも海から行ったほうが楽に行けるものもある。そして、西部のハイランダー(高地人)は常に舟人だったのである。


(訳注)

1.A957道路のこと。


(原注)

1.A. R. B. Haldane, The Drove Roads of Scotland (Edinburgh, 1952)