思い出したことその2。
ある朝、遅刻しそうだったので、急いで走って校舎に入り、エレベーターのあるところに向かいました。
すると、べつの通路から先生がいらっしゃるではありませんか。「先生、おはようございます」と言おうとしたら、先生はクルッと曲がって女子トイレのほうに入ってしまいました。
(なーんだ)と思って、エレベーターに乗って一足先に教室に入って先生が来るのを待っていました。
すると、先生が5分くらいして入ってきました。「おはようございます。遅れてごめんなさい」
「いえいえ、おはようございます」
といって顔を上げたら、(おや?)と思いました。
さっきよりきれいになっている。さっきは、少し距離があるのでよくわからなかったが、口紅は塗っていなかったんじゃないか・・・きっと先生も朝寝坊してしまって、お化粧もせずに家を出てきたのだろう。そして、ひょっとしたら、たとえ相手が私であろうと男性は男性なので、女のたしなみで、いつもきれいでいたいという気持ちから、トイレでわずかな時間で化粧を完成させたのかも知れないと思いました。
だとしたら、先生も女なんだなあと、初めて先生の女らしさを感じました。
まあ、それだけですね。あとは、「厳格な意味における先生と生徒の関係」を一歩も出ていなかったと思います。