今日は、お勧めの本を紹介するコーナー📖
芥川賞と直木賞の受賞作が決まりましたね!
芥川賞は、朝比奈秋さん『サンショウウオの四十九日』と松永K三蔵さんの『バリ山行』。
直木賞は、一穂ミチさんの『ツミデミック』に決まりました。
おめでとうございます。
朝比奈秋さん『サンショウウオの四十九日』は、総合双生児の姉妹が主人公で、互いの意識が融合してしまう恐怖に怯え、自身の死を経験する物語。
小説にしかできない難しい問題に着手した文学的野心が評価されたとのこと。
著者は消化器内科の医師との兼業で、思い付いた時に書くスタイルで映像の形で頭に浮かんでくるというから、感覚型の作家なんでしょう。
とりつかれように書くというから、おそらくは天才タイプ。
小説を書き始めるまで、まったく小説を読んでこなかったとも言っているのですから、小説家志望者としては苦笑いするしかないですが😅
自分の体感したことしか書けないと言っているので、引き出しは多くないかもしれません。
自己投影ばかりしていると、よほどいろいろな人生を送ってきていない限りネタギレしますから(体験談)
とはいえ、こういうタイプは純文学作家には多いんですよね。
綿矢りささんなんかがぱっと思い付きましたが。
これを機に頑張ってもらいたいです。
松永K三蔵さんの『バリ山行』は、建築会社の登山部の主人公が、登山ルートを外れて道なき道を進んでいく山行にのめりこんでいく物語。
キャラクターや登山のディテールが描けていて、地に足つけた筆致が評価されたと。
両方とも芥川賞候補初めてでの受賞で、マニアックな素材のディテールで唸らせる作品というあたり、アマチュア向けの新人賞に求められるものに近いかなと感じました。
マニアックな素材でありながら、きちんと一般の読者も知りたい読みたいってネタで勝負してるんですよね🤔
後者は現在山登りブームが続いているのも、時代とマッチしていますし。
続いて直木賞の一穂ミチさんは、本屋大賞ではすっかりお馴染みの著者。
受賞作は読みたいと思って手付かずだった作品なんですよ😣
コロナを背景にした短編集というあたり、こちらも時代を反映した作品ですね。
短編集が直木賞受賞は久しぶりなんじゃないかな?
調べてみたら、2022年上半期の『夜に星を放つ』以来でした。
このところ歴史小説の受賞が目立っていたので、こういう軽そうな作品が選ばれたのは新しい風としてはいいのかも?
ミステリー界隈で期待されていた『地雷グリコ』は四冠ならずでした💦
先日読んでちょうど今回紹介に挙げたので、タイミング的に取ってほしかったですけどね。
みなさんの予想は当たりましたか?
読んでみたい作品はありましたか?
それでは本日の1冊目は、小説から。
噂通りの面白さ😆
究極の頭脳戦ゲーム小説。
主人公がなにかを賭けて、ゲームを挑む。
誰もが知っているゲームだが、そこにあるルールを加えることによって心理戦へと変貌する。
地雷グリコは、お馴染みのじゃんけんで勝ったら進むゲームに地雷の段数をお互い指定することによってペナルティをいかに受けずにゴールするかを競う。
坊主衰弱は、百人一首の絵札を使った神経衰弱。
自由律ジャンケンは、グー・チョキ・パーに独自に決めた手を加えての対戦。
だるまさんがかぞえたは、入札した歩数によって進んでいく心理戦。
フォールーム・ポーカーは、4部屋に伏せられたトランプから推理と記憶を頼りに理想の役を作り出す。
このゲーム自体がよく練られていて、面白いんです。
正直言うと、前半はオチがわかりましたけど、そこに至るまでの心理とカタルシスが最高に気持ちいい😳
やってみたいと思わせてくれる。
主人公のキャラクターも立っていて、青春小説の要素もあり🔆
このキャラクターだからこそ、ゲームでこう考えるんだなという説得力があります。
図解もところどころに出てくるので、ルールもわかりやすい。
そんなのありな発想の流れも好きですね✨
ゲームはまだまだ世の中にあるので、続編読みたいほど。
◯×ゲームとか、ブロックとか、ケイドロとかどうです?
続いて2冊目は、小説から。
先日に続いてSFですね✨
5つの独立短編集です。
表題作「魂婚心中」は、死後結婚がマッチングアプリによって流行り、ドルオタの主人公が推しと死後結婚をしようと暴走する話。
未来のゲームRTA大会(ゲームのクリアタイムを競う?)を描く「ゲーマーのGlitch」。
地獄行きの回避を専門とする企業小説「閻魔帳SEO」。
嘘をつくと存在を消されてしまう「二十五万分の一」。
間違い探しを取り入れた「この世界には間違いが七つある」。
とある能力に目覚め殺人にまで発展してしまう「九月某日の誓い」。
一つ一つ設定の作り込みがすごいなと🙄
個人的には「魂婚心中」と「二十五万分の一」が好きで、この設定を長編か連作短編で読んでみたいと感じました😁
後者はめちゃくちゃ短いので残念と思ってしまったので💦
芦沢央さんというとミステリーなんですけど、こういうのも書けるんだなと🤔
短編故にあんまり書きすぎるとネタバレになってしまうので、紹介ではこれくらいが限度ですが。
短いので、さくっと読めちゃいますよ🙆
最後に3冊目は、こちら。
原作買い続けてアニメ観て、原画展もいくくらいにはまっている、芸能界の内情を暴く復讐劇として描かれている【推しの子】。
現在二期が放送中ですけど、一期をまとめたこの本はファン必見です👀
アニメやTwitterに掲載されたビジュアルまで載っている。
アニメ一期の各話ごとに振り返り、章ごとにキャストのインタビューが入るのもいい🤗
このキャストの、こんなことまで考えて演じてたんだって発見がたくさん✨
原画や絵コンテは、原画展のとほぼ同じかな?
美術舞台装置までかっちり作られてるのもすごい🤔
キャストのQ&Aは、ファン心を擽ります🤭
スタッフトークに主題歌アーティストのインタビューもあって、盛りだくさん😳
珍しくアベマで一期は何度も観たんだけど、また観たくなるガイドブックです!
二期放送に合わせて刊行してくれたのがいいですね。
二期以降もガイドブック出して欲しい🥺
推定だと五期で完結かなと思っているので。
一期で好きなのは一話と六話と七話。
あかね推しなもので😜
二期はこれ書いてる時点の最新話である三話が作家側の感情のぶつけ合いによる心理描写がすごくて、見ごたえあった😳
バクマン。思い出したわ✨
大変面白いアニメなので、まだの方はガイドブック読んでアニメに入るといいんじゃないかな。
今回は、こちらの3冊を取り上げました📚
次回をお楽しみに💙