今日は、お勧めの本を紹介するコーナー📖



全国で減少する街の書店について、経済産業省が書店振興プロジェクトチームを設置し、初の本格支援に乗り出すニュースが3月にありましたね。


地域に書店がない自治体は4分の1にのぼるのだとか🤯


新たなる付加価値が重要と見ているようです。



前から書いていますが、リアル書店がなくなると一部の売れてる本しか売れなくなってしまい、新人が消えていくことになるんですよね。


それが続けば本がなくなる。



特に小説は雑誌が売れているわけではないので数も少なく、漫画のように雑誌で人気出て単行本も売れる相乗効果が期待できないのもあります💦


本当は雑誌掲載で印税が発生したほうが作家側はよいのですが、分割で掲載する都合上後付けでいい漫画と違って連載は大変ですしね。



政府はイベントや独自性を支援する気らしいですが、はたして効果はあるのか🤔


物価高騰と本が売れない悪循環で、雑誌も本も高くなってますからね😅



本が売れないと部数刷れないので、単価を高くするしかなくなっているのかと。


あまりに売れないと文庫書き下ろしになるか、文庫化されないで終わって作家側もマイナスです。



俺は足を運べるときにはリアル書店で買うようにしています。


1万超えることはざらですね😃


本屋さんには頑張ってほしいところです。



















それでは本日の1冊目は、小説から。




以前も紹介したことのある「行動心理捜査官・楯岡絵麻」(通称、エンマ様)シリーズの最新刊にして完結編、『ラスト・ヴォイス』です!


『サイレント・ヴォイス』としてテレビドラマ化もされましたね✨


行動心理学によって相手の仕草を見て嘘を見破る刑事の話です。



行動心理学を用いて相手のしぐさから嘘を見破る刑事、楯岡絵麻。


相棒である西野の婚約者宅に火をつけた犯人は、12人を殺害した元精神科医の死刑囚、楠木ゆりかだと見破る。


獄中から指示を受け放火した実行犯を探すが、尻尾がつかめない。



その間も楠木は絵麻を潰すために、次々と周囲の人間に危害を加え。



シリーズ全部を読んだわけではありませんが、今までの過程を読んでいたほうが余計に感動を得られます🎵


過去作品が最後に繋がっていくさまは圧巻🤯



佐藤青南さんの他の作品の経験も生きてると思うんですよね。


放火に関しては『消防女子』シリーズがありますし、死刑囚が獄中から動きを見せるのは『ストラングラー』シリーズ。


犯人がしどろもどろになるさまは、『一億円の犬』に通ずるものがありました🤭


すごく集大成感があり、シリーズ完結編に相応しい作りになっている印象です。



今までのより刑事としての動きが多いのも、緊迫感があってよかったです🤗


どのメインキャラクターもいいけれど、特に筒井さんファンは必読じゃないかな🙄


今までは絵麻や西野にスポットが当てられていましたが、最後だけあって筒井や綿貫にもたっぷりと見せ場を用意してくれています。



シリアスとコミカルのバランスがよくて、好きなシリーズ。


終わってしまうのは寂しいな😭















続いて2冊目は、小説から。




天祢涼さんの最新作、『あなたの大事な人に殺人の過去があったらどうしますか』です!


タイトルがテーマそのままですね🤭


天祢さんらしい社会派ミステリー。



横浜に本社を置くオオクニフーズの相模原支社に勤務する藤沢彩は、子供の頃から自分の感情や思考を言葉にするのが苦手だった。


仕事のことで思い悩んでいた時に声をかけてきた一年先輩の同僚社員・田中心葉に次第に惹かれていく。


同期の佐藤千暁とも次第に交流ができ、三人はそれぞれ十年後も一緒にいたいと願うようになった。



そんなある日、心葉が会社の朝礼で、ぼくは人を殺したことがありますと発言する。


千暁にも、兄が殺された被害者遺族という人に言えない過去があった。



罪を償っていれば、許せるか?


少年犯罪を多く書いてきた著者が挑む新境地。



読みはじめて、青春お仕事小説?かと思っちゃいました😂


罪の告白がされるシーンが出てくるの、結構遅いですからね😅



そのシーンが出てきてからが一気に読めます💨


被害者遺族と加害者の友人としての葛藤。


心理描写が丁寧で、読みながら考えさせられました。



ややご都合主義な話運びではありますが、おかしくなってしまう被害者の母親も見ごたえありで、三人の主人公もそれぞれ違いがあっていい。


罪を償ったから許す、罪をおかしたのだから一生不幸でいろ。


単純にそういった価値観に染まらない葛藤が読みどころです!























最後に3冊目は、小説から。




桃野雑派さんの最新作、『蝋燭は燃えているか』です!


宇宙での連続殺人を描いた『星くずの殺人』の続編で、主人公はその時の女子高生・真田周ですね✨


舞台は宇宙から京都に変わっていますが、社会派ミステリーにもなっていて面白いです😆



宇宙ホテルでの連続殺人事件から無事に帰還した真田周は、大気圏突入時、行方不明の友人に向けて音楽配信をしたことで人が死んだのに不謹慎だと、SNSで炎上してしまう。


まるで事件の加害者かのような扱いを受け、迷惑系動画配信者が現れるなど、日常の通学すら困難になっていく。



ある日、アーカイブ動画に不穏なコメントが書き込まれた。


『まずは金閣寺を燃やす』



半信半疑の周の目に映ったのは、予告通り黄金色に輝きながら燃え落ちる金閣寺だった。


その場で、行方不明の友人・瞳子の姿を見つける。


あの子がこの炎上を引き起こしたのか?



京都中の観光地が放火されていく怒濤の展開は、ページを繰る手が止まりませんでした🤯


何もわからないところから、段々と真相に迫っていく話運びがうまい。



なにより、京都のディテールがずば抜けているんですよね👏👏👏


著者自身京都出身だそうですが、住んでいても観光名所にここまで詳しくはなりませんから取材のあとがしっかり見えます👀


京言葉の掛け合いも楽しい😁



加害者家族の苦悩がテーマの根底にあり、被害者と加害者どちらになりたいかの問いは主人公を通して読者にも突きつけられます🔪


宇宙から京都と身近な場所に変わっていますが、作品のスケール感は大きいままなのです!



ややご都合主義な部分もありますが、論理的にどんでん返しとして機能しており、面白さがそれを上回ります。


デビュー作からただものじゃないと思っていましたが、今後も注目のミステリー作家ですね🎵























今回は、こちらの3冊を取り上げました📚





それでは、次回をお楽しみに💙