HEROISM MARCH 第一話「まっすぐ自分の道を歩くこと、それが俺のジャスティス 序」
―――――『仮面レイダーよ、貴様もこれで終わりだっ!』
悪の秘密結社ローナのボス、アンティの手に漆黒の炎の球体が現れ次第に大きくなっていく。
『くっ、ここで負けたら世界が終わってしまう……。どんなに苦しくたってどんなにつらくたって俺は負けるわけにはいかねぇんだっ!』
仮面レイダーは傷ついた体を必死に起こしてよろめきながらも立ち上がり、アンティと対峙する。
『ほざけっ!雑魚がぁあっ!』
アンティの手から人一人など簡単に飲み込んでしまうほどの巨大な炎が放たれる。
『キャントッ!俺の体を剣と化しすべてを貫き舞い戻るっ! 必殺っ!レェイィダァアアアア ストラグルッ! うぉおおおおおおっ!』
仮面レイダーの体が真っ赤に輝き、最後の力で向かってくる炎に突撃していく。
『ばかめっ!そんな体で何ができるというのだっ!』
アンティはさらに力を込め、自分の勝利を確信した。
『俺を信じてくれる人々がいる限り、俺は俺の信じる正義を貫くっ!希望を捨てずに応援してくれる人々がいる限り、俺は誰にも負けねぇえええええっ!』
アンティが放った漆黒の炎が押され始め、仮面レイダーの力が増していく。
『なにっ!?ここに来て力が増すだとっ!』
アンティは動揺したが、すぐに気を取り直し、さらに力を加える。
『うぉおおおおおおおおおっ!』
『はぁあああああああああっ!』
ぶつかり合う、力と力、希望と絶望、光と闇。あたりがぶつかり合う二つの力の影響で真っ白い光で染まり何も見えなく、何も聞こえなくなる。
see you next time……
『次回最終回っ! さらば仮面レイダー、カバディの彼方へ で、お会いしましょう~。またみてねっ!』――――
ピッ。
俺はテレビの電源を切り、叫ぶ。
「仮面レイダァアアアアッ!」
次回最終回だと?どういうことだ、来週に続くなんてそりゃないぜっ。続きが気になって仕方ないだろ~。どうなっちまうんだよ、一体どうなっちまうんだ~。
「うぉおおおおおおおっ!」
俺が自分の部屋で叫んでいると、突然、バンッと部屋のドアが開く。
「兄さん、うるさいっ!近所に迷惑でしょうがっ!というかワタシ今実験中なの気が散るから黙ってて!」
「仕方ないだろっ仮面レイダーの続きが気になって仕方ないんだ!絶体絶命なんだよ、これが叫ばずに」
というと妹の桜井 希(さくらいのぞみ)は俺に銃を向ける。そして……。
「黙ってろ」
引き金を引いた……。銃から飛び出てくるのは弾丸ではなく、ボクシンググローブ。どんな構造になっているのか俺にはさっぱりわからない。ただおもちゃと呼べる代物ではなくそこら辺のアマチュアボクサーだったらKOできる威力だったはずだ。そんなものまともに受けたらっ!
ガンッ。
ジャストミート。顔面直撃。我が妹ながらいい腕だ……俺の意識は遠のいていく……。
「バカ」
そう言って俺の部屋から出て行く希の姿が遠のく意識の中かすかに見え、た……。
ん、んん~っ。なんか激しいベルの音が聞こえる。毎朝聞いてるような音だよな~。でも、まだ眠い……。
俺は頭の上の方に手を伸ばし、うるさくわめくあの朝の天敵を手探りで探す。えっとここかな~どこだ~奴は……。手に四角く硬い何かに軽くぶつかり俺は奴だと判断。そのまま手で鷲掴み思いっきり
ヒュッ、ガシャンッ。
奴は沈黙した。よし、俺の勝利だ。……正義は勝つ……。
…………って待てよ。俺はいつの間に寝ていたんだ?それに奴が騒いでいたってことは~。
「……」
俺はむくっと起き上がり寝ぼけ半分の頭で壊れて動かなくなった敵のところへ向かい顔を覗き込む。
「……ちこくだぁあああああああ」
奴の顔にある針は8時15分のところで止まっている。ということは今何分だ?俺の部屋にはこれ以外の時計といえば~、って考えてる暇はねぇ!とりあえず急がないとっ!
俺は手早く着ている服を脱ぎ、ベッドの横の壁にかけてある学生服に着替える。この間約30秒。我ながらいいタイムだ。そして机の上のカバンを手に取り部屋を出る。
「なんじゃ正義(まさよし)今起きたのか、飯はどうする?」
「遅刻しそうだからなしっ!」
階段を降りたところでじいちゃんに話かけられるがそれどころじゃない。俺は洗面所に行き、顔を軽く洗い、鏡を見て
「今日もイケメンだな……」
ってあほか俺はっ!ここで自分に見とれてる場合でもねぇ!
急いでカバンを持って玄関へ、靴を履いて、よしっ。
「いってきま~すっ!」
俺は全力で学校に向かって走る。……ところで今何分だ?