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上下階の騒音トラブル、ゴミ置き場の清掃問題、大雨による浸水、欠陥工事、管理費等の値上げ、大地震の被害……。分譲マンションに住む人にとって、悩みや不安はつきません。 さらに、新型コロナウイルスによる外出自粛で在宅勤務になり住環境の重要性に気づいた人も多いことでしょう。 『マンション管理はこうして見直しなさい』では、「うちのマンションは大丈夫だろうか?」と感じている多くの人に向けて、マンション管理のプロである著者が、イライラや不安、疑問などの問題をわかりやすく整理して、解説。 みなさんが安心して、長く住めるマンション管理の方法をお伝えします。 【この記事の画像を見る】 ● 管理費も修繕積立金の金額も 売主の不動産会社がとりあえず見込みで決めたもの  分譲マンションを買った人=区分所有者が毎月払う管理費と修繕積立金。その額はどのようにして決まったのでしょうか。  多くの人は「もともとそう決まっているんだから、それでいいんじゃない」といった感じで、金額の根拠や妥当性についてほとんど気にしていません。  そもそも管理費は、マンションで日常的にどのような管理業務を行うのかを決め、それにかかるコストを計算し、各住戸の広さに応じて割り振ります(※)。  修繕積立金は向こう30年程度で想定される修繕工事を洗い出し、いまの時点で妥当と思われる工事のやり方と単価にもとづいて合計額を算出し、それを各住戸の広さに応じて割り振ります(※)。  こうした日常の管理業務や向こう30年程度で想定される修繕工事の費用について、分譲当初に売主の不動産会社が管理会社と相談しながら見積りし、管理費や修繕積立金の金額を決定しているのです。  ※管理費及び修繕積立金の額については、管理規約において「共用部分の共有持分」に応じて算出するのが一般的です。そして、「共用部分の共有持分」とは、各住戸の専有部分の床面積の割合によります。ただし、タワーマンションなど階数による眺望や日照により住戸の価値に大きな差がある場合、「共用部分の共有持分」をそうした価値の違いにもとづく価値割合に連動させることも考えられます。

● 売りやすくするための”操作”が行われている  ここまでは基本的な話で、問題はここからです。  管理費や修繕積立金は、購入者にとってはある意味、住宅ローンや固定資産税と同じように、マンションを買ったら毎月必ず出ていくお金です。何千万円もする買い物なので、資金計画に余裕がある人ばかりというわけにはいきません。「毎月の負担はできるだけ少ないほうがいい」と考えるのは当然でしょう。  そこで、売主の不動産会社には、分譲当初の管理費や修繕積立金をなるべく抑えたいという考えが働きます。少なくとも、周辺の競合マンションより高くなることは避けようとします。  そこでどうするか。管理費については、駐車場の利用料を管理費会計に組み入れることで、各住戸の負担額を抑えます。修繕積立金については、将来、値上げをする想定で、分譲当初は低く抑えます。  最近の新築マンションの多くは、土地代や建築費の上昇で分譲価格が年々アップしていることもあり、こうした方法を使って分譲当初に設定する管理費と修繕積立金の金額を抑えようとしているとみて間違いないでしょう。  管理費にしろ修繕積立金にしろ、本来いくらぐらい必要なのか、いくらくらいが妥当なのかではなく、「いくらくらいなら払ってもらえるか」を基準に決まっているのです。 ● 管理組合として妥当な額をチェックし、見直すべき  こうして売主の不動産会社によりある意味、”操作”された管理費、修繕積立金の金額は、購入した区分所有者も「最初から決まっているんだから」「プロが計算したんだから」などと思ってチェックしないまま放置されています。  私たちのコンサルティングの経験上、管理費から支払われる項目の中には割高なものや不要なものが含まれていることが少なくありません。修繕積立金については将来、必要となる工事費に比べて低すぎます。  妥当な管理費や修繕積立金の金額はどれくらいか。一つの目安として、国土交通省が多くのマンションのデータを集めて平均的にこれくらいという数字(図表5)を公表しています。しかし、これらはマンション全体の戸数や階数(高さ)などによる傾向しか分からず、むしろ「これくらいなら大丈夫だろう」と納得する根拠になっている可能性があります。  大事なことは、自分たちのマンションにおいて妥当な金額を把握することです。それをしないで放っておくと管理組合のお金が足りなくなり、気がついた時には大幅な値上げやまとまった一時金が必要になったりする危険性があります。  管理組合として一刻も早く、管理費と修繕積立金の金額の妥当性についてチェックすべきです。また、チェックして問題がなければ、財政面ではひと安心できます。  (本原稿は、ソーシャルジャジメントシステム編、廣田晃崇著『マンション管理はこうして見直しなさい[新版]』からの抜粋です)

 

 

 

【マンション管理】管理費や修繕積立金の金額は、どうやって決まっているの?(ダイヤモンド・オンライン) - Yahoo!ニュース上下階の騒音トラブル、ゴミ置き場の清掃問題、大雨による浸水、欠陥工事、管理費等の値上げ、大地震の被害……。分譲マンションに住む人にとって、悩みや不安はつきません。さらに、新型コロナウイルスによるリンクYahoo!ニュース 

 

 
 
 
 
コロナ不況の到来により、住宅ローンの返済に窮する人が続出しているが、特に分譲マンションにかかる経費で馬鹿にならないのが、管理費や修繕積立金だ。しかもその額は年々上昇している。住宅ジャーナリストの榊淳司氏が、高すぎるマンション管理費のカラクリに迫った。

* * *  筆者は東京23区と川崎市のほぼ全域、さいたま市の浦和区などで販売されている新築マンションの現地をすべて調査し、物件別の資産価値を分析する有料レポートを発行している。もちろん、取り上げるすべての物件のオフィシャルページもチェックするが、そういった活動をする中で、気づくことが多々ある。

 例えば、ここ2、3年の顕著な傾向として見られるのが、新たに販売されるマンションの管理費や修繕積立金がやたらと高くなっていることだ。

 そのことを客観的に示すデータもある。東京カンテイが5月7日に公表した首都圏の新築マンションにおける管理費、修繕積立金の推移によると、月額平均の管理費は2019年が1万9085円で5年連続上昇している。また、修繕積立金は2019年が7826円で、こちらも4年連続で上昇した。

 直近10年間の上昇率は、じつに管理費が18.4%、修繕積立金が22.1%にもなっている。もっとも、こういった費用は「戸あたり」ではなく平米単価で比較するのが本来であろうが、一応の目安にはなっていると思う。

 この間、消費者物価はほとんど上がっていない。むしろデフレ傾向にあった年もあるくらいだ。日本銀行の黒田東彦総裁は2013年4月の就任以来、「消費者物価2%上昇」を目標として異次元金融緩和を行ってきたが、この7年の間で一度も目標が達成されていない。

 であるのに、なぜマンションの管理費や修繕積立金は上昇するのか? その理由は人件費の上昇と人手不足、そして建築費の高騰である。

 まず、マンションの管理現場や建築現場での人手不足は、もう10年ほど前から顕著になってきた。その分、人件費は上昇する。

4年ほど前からは、マンションの管理員不足が鮮明化した。マンションの管理員は、定年退職した元管理職のサラリーマンなどが多い。ごみ捨てや清掃という主な作業のほかにも、一定の事務処理能力や住民とのコミュニケーション能力も求められる。ある程度の社会経験を積んだ方にふさわしい仕事ではなかろうか。

 これまでは、団塊の世代という豊富な人材供給源があった。しかし、彼らは高齢化した。団塊の世代が管理員の標準的な定年となる70歳に達し始めたのは2018年。今やこの世代はすっかり70代。それどころか、間もなく後期高齢者の年齢に達する。

 管理員となる人々の分母が、急速に細っているのである。だから賃金や労務費、採用費などの上昇が管理会社の負担となる。その分、管理組合から支払われる業務委託費を上げざるを得ないというカラクリだ。

 しかし、何年も前から業務を受託している管理組合へは、値上げの要請をしにくい。だからその分は新規契約分の委託費を高めに設定することで、企業収益のバランスを保っている現実もある。これが新築マンションの管理費高騰につながっているのだ。

 一方、建築現場での人手不足も慢性化している。特にマンションの大規模修繕のために必要な足場の組み立てや解体を行うとび職などは、10年ほど前から高騰した人件費が高止まりしたまま。現場の職工さんたちの高齢化も進んでいる。そのため、マンション修繕工事のコストは年々上昇を続けている。それを賄うことになる修繕積立金が値上がりするのは当然だ。

 しかし、もう築20年を過ぎたマンションでは、新築時に購入した人が高齢化していることが多い。彼らの収入がか細くなっていると、管理費や修繕積立金の値上げなどを受け入れにくい。総会に値上げ案を出して、否決されるケースもよく見られる。

 そうなると管理業務の一部に支障をきたしたり、必要な補修ができなくなったりする。分譲マンションの区分所有という権利形態が持つ大きな問題である。

管理会社は、そういった遠い未来の問題をも見越しているのかどうか、新築マンションの管理費や修繕積立金は高めに設定しようとしている。少なくとも、今後下落に転じるような材料はほとんどない。コロナ不況で失業者が増えると、管理員の募集業務が若干やりやすくなる程度である。

 現状、郊外の駅から離れた戸建てに住むリタイア夫婦が、便利のいい場所の中古マンションに住み替えるというトレンドも見られるが、彼らは区分所有のマンションに住むランニングコストを現実的に想定していない場合も多い。

 しかし、戸建てではかからなかった月々の管理費や修繕積立金はもちろん必要だ。自家用車を持ったままにすれば駐車場の使用料も発生する。そして、そういった費用は時に値上げされる。

 大規模修繕などで積立金が不足した場合には、追加で一時金を徴収されることもある。管理組合の総会で一時金徴収案が可決されてしまえば、すべての区分所有者には法的な支払い義務が生ずるのだ。払えなければ住戸を競売に掛けられる可能性だってある。

 マンションの管理費や修繕積立金といったコストは、これまで総じてあまり高くなかったために、軽く見られていたように思う。しかし、今後はそのマンションを借りた場合の家賃の3割程度にまで、管理費関係のコスト割合が上昇していくと考えるべきだろう。

 区分所有のマンションは、それだけ日常経費が高コストな住まいに変わりつつあるのだ。