人間の性質というのは、どこへ行っても似たようなもの。

このマープルの言葉の通り、噂の拡散と変貌によって

当事者が苦しめられる様は現代のネット社会と何ら変わらないし

淋しげな独身男を狙う後妻業もしかりで納得させられる。

「ほっそりした体型でなきゃショートパンツは似合わないってこと

に、娘さんたちは気づいていないみたい」も。

 

【私的 書斎の死体 名言】

 

顔に刻まれた深い皺は苦悩の皺で、

衰弱によるものではなかった。

ここにいるのは、運命を呪うようなことはせずに、

雄々しくそれを受け入れ、勝利をめざして進んで

いく男だった。

 

たとえば、盗難事件がおきれば、誰が犯人かは

たいてい目星がつくものだ―通常の犯罪者であれば

という意味だが。この手口を使うのはこういうタイプの

泥棒というように、警察のほうで把握しているからね。

ミス・マープルの場合は、村の暮らしのなかで、

それに類似する興味深い出来事を―まぁ、ときには

些細なものもあるが―いくつも体験しているわけさ

―サー・ヘンリー・クリザリング

 

人間の性質というのは、どこへ行っても似たようなものですのよ

―ジェーン・マープル

 

結婚してみて初めて、本気で喧嘩できるものなんです。

正式に結婚していない場合は、相手にもっともっと気を遣い、

すべてがどんなに幸福で平穏かを、たえず自分たちにいい

きかせなくてはなりません。つまり、自分たちの仲を正当化

しなきゃいけないんです。喧嘩なんてとてもできません!

でも、わたしの見たところ、結婚している夫婦は、自分たちの

喧嘩と―そのう―適当な仲直りを、心から楽しんでいるのです

―ジェーン・マープル

 

わたしがあの子のなかに見たものは、

ほとんどがこちらの願望だったんだ。

―コンウェイ・ジェファースン

 

ほとんどの人が―警察官も例外ではありません―

この邪悪な世の中に信頼を置きすぎているんです。

人からいわれたことを、無条件で信じてしまいます。

わたしはそんなことはしません。

かならず自分でたしかめることにしています

―ジェーン・マープル