今日は親分と菊川にて待ち合わせ。住吉から一路、新大橋通りをダッシュ。
到着したのは、菊川の名店、みたかや酒場。外から覗いてみると、六時ちょい前の店内はカウンター席がかなり埋まっています。ん~、さすが人気店。パッと見、親分いないかなぁ…着いたと連絡を入れてからと思いつつ、先に席を確保してからじゃと意を決して暖簾をくぐります。こんばんは~と足を踏み入れるてぇと、手前の鋭角カウンターで手を上げる方が、あっ親分。ちょっと前にお着きになったそうで、お隣の方の陰に隠れて見えなかったんですね。このあとm蔵さんも来るというので、奥のみたかや唯一のテーブル席でお待ちした方がいいかなとお父さんにお願いしかけると、鋭角カウンター向かいのお父さんが、「何人だい?」、「三人です」とお答えすると、親分のお隣の方々に「三人だってぇから、ずれてやんなよ」と。お隣の方々も、嫌な顔せずに席を空けてくれました。有難いなぁ、下町気質。本当にすみませんと、頭を下げてご着席。
まずはお父さんに白ホッピーをお願いします。たっぷりの焼酎に瓶の中身を半分ほど注いで、まずは親分と乾杯の練習を…ングッ、ングッ…うめ~。いやいや、仕事上がりの一杯は毎度のことながら、どうしてこう格別なのでしょう。さて、今日は親分をご招待して三人態勢ですから、色々行けますよ。まずはヘルシーに鮪メニューからなんてどうでしょうとご提案すると、いいでつね~と親分。では、鮪あら煮と、鮪刺しをお願いしましょう。
大鍋で煮つけられているあら煮はすぐに出てまいります。出てきた瞬間、親分の目がカッと見開かれたのが印象的でした…なにせこのボリュームだもんでよぉ。いわゆる鮪の尾の身の輪切りを、相当時間をかけて煮込んでらっしゃると思うんですよね。なにせもう骨離れがいいのよ。そして、この煮汁の染みた尾の身が柔らかくも歯ごたえがあって旨いんだわ。「すごいですね~」と親分、まず一つ驚いていただきました。
続けざまに鮪の刺身も出てまいりますが、これで…と言いながら、じつはこらえきれず半分食べてしまった後ですが、600円ですぜお客さん。ちなみにあらは確か400円だったかな。トロは中トロコハダアジと世に謳われておりますが、まさに中トロ、トロントロンの中トロでございます。形状からいって頭肉ではないかと想像するんですが、これまた噛みしめると、マグロの甘味が嬉しいくらいに口の中にあふれ出しまして、たまらない一品です。
と、そうこうしておりますと、開店から二時間を超えて、そろそろお客さんの動きが出てきましたね。帰られるお客さまも多いけど、入ってこられる方がたくさん。先ほどずれていただいた席も、空けておくのは申し訳ないということで、お客様に座っていただきます。その後のお客さんは、鋭角カウンター後ろの荷物が置いてあるテーブルにおつまみをおいて、立ち飲んでいらっしゃいます。そうそう、春にじゃんきーさん達とお邪魔した時は、このテープルに椅子を出していただいて、座り飲みしたんでした。そうするとテーブル席は二卓ある勘定か。
時刻は七時を回って折よく親分の向こうの席が空いたところで、m蔵さんがご到着。本乾杯の後は、さあ、がっつり行きまっせ~。まずはとんかつを行きましょう。この前お邪魔した時に、隣の席の若い兄さんが、一人で一枚食べてらっしゃるのを見て驚いた一品。東京メトロの小冊子にも乗った美人女将さんが、丁寧に筋切りして広げたお肉…サイズは女将さんの大きな手のひら一杯、これを丁寧に奥の揚げ鍋に投入。
揚げている間にキャベツを千切りになさるのですが、これが冗談じゃないのという量。普通のとんかつ屋じゃみないような大皿にキャベツを山盛り、揚げあがったとんかつを切るザクッという包丁の音が耳に心地いいですね。そして、山盛りキャベツの上にどーん、見たか、これが菊川名物みたかやのとんかつじゃ~!
30cmはあろうかというボリュームにまず目で驚かされます。これは三人いないと食えんやろ~。
しかし、驚きは見た目だけじゃありませんでした。さっそくアツアツのうちにいただくてぇと、なんともやわらかい。世のとんかつレビューに、箸で切れるやわらかさという表現をよく見ますが、これがまさにそれ。先ほどの丁寧な筋切りのおかげでしょうね。そして、揚げ具合がちょうどいいんでしょう、噛みしめると口の中にじんわり、肉汁がほとばしるのです。親分に指摘されましたが、確かにこれはごはんがほしいでつ~(T-T)。
でもここはぐっとこらえて、きょうは おかず中心セットで行くのです。だってごはんまで食べきれないし、あれがあるし…。
山盛り系メニュー第三段はおでん。これまた400円では考えられない、この量はまさに山でありんす。ちくわぶ、さつま揚げ、もち入り袋、こんにゃく、すじ、はんぺん、玉子…エトセトラ、エトセトラと10品も乗ってるのよ、どれだけコスパええんですのん。
そして今日のメインは餃子ちゃんです。以前、一人でお邪魔した時に、あまりの旨さにその場で親分にメールしましたところ、是非食べたい!というのが今日の実現に至ったきっかけでございまして。これをイカネバの娘なわけであります。お願いしますと、おかみさんが丁寧に餡をとりわけ、一つずつ餃子を包んでくれます。
これがまた皮のサイズが尋常ではないのです。まさにバナナ。これが一人前6個で450円ですぜ。しかも、中身がトロントロン…溶け出す位のアツアツ餡にはニンニクとニラがたっぷり。仕事前やデート前には向かないかもしれませんが、これでがっつりパワー注入してから臨めば、臭さを吹き飛ばして逆転間違いなしのスタミナメニューなんでございます。
もう、本当銀座の某店の大きいけど中身に主張がないような餃子の半額でこのボリュームですもの、頭が下がります。いや銀座某店もさっぱりが好きな方にはいいと思うんですが、土地代はあるにしても、1100円は高いやろう~。
さて、目標の品々を食べてまいりましたが、最後に大物が残っておりますよ~。
あたし的みたかやのベストつまみにして、マストオーダーアイテム、その名は「焼きおにぎり」!
おかみさんの大きな手で結ばれたおにぎりには、中身に鮭ハラスの身がぎっしり。これを大葉をつけてお父さんが網で丁寧に焼いてくれる。そこに醤油がまわされると、醤油の焦げた煙がジュワ~とあがって、なんとも食欲を刺激せずにはおられません。出た、みたかやの満月、これぞ焼きおにぎりでございます。その姿はまさに、カウンターの上に満月が昇ったよう。いつもはおみやげにして、翌日の朝食にすることが多いのですが、今日は三人、三等分してアツアツをいただきましょう。
こんがりした表面と、やわらかな中身の米の対比もおもしろく、焦げた醤油と鮭の塩気が食欲を刺激して、ああ止まりません…なんでこの日はおみやげにしなかったのかと、夜中に本当に後悔したという事実(笑)。
いやあ食べた、食べた…そして当然飲んだ飲んだ。これだけ飲み食いして、お会計は一人2000円行かないというのは、なんとも頭が下がります。いつも朗らかで豪快な女将さんが仕切る店内の会話も楽しくて、だもの先ほどのような親切な常連さんもいつくんですよね。真剣になじみになりたいなぁという思いを新たにした夜でした。
親分、寒い中お付き合いどうもありがとうございました。
また、餃子と今度は煮込みも食べにいきましょうね♪
みたかや酒場 16:30~23:00 日・祝定休