いつも傍で 勇気付けて みつめていて…岡本真夜 forever…
クリスマスというと、どや街ではしゃぐ子どもたち、赤い服着た黒人青年、そんな連想が浮かぶあたり、
あしたのジョー2世代のワタクシ。
そんなこんなでクリスマスの今日は、新しい区切りの日。
クリスマスで一区切り、新年で一区切りと、年末のこの時期は気持ちを入れ替えようと思う機会が多々あります。が、なかなか改まらないのが人の性。日々是々、一瞬一瞬を連ねながら、こうして一年一年を積み重ねていくのでしょうか。
普段より少し遅い目覚め、お洗濯と手続きを済ませれば新しい日々の始まりです。
こんな日は原点からスタートしたいものです、その思いが足を仲見世に向けさせます。
昨日は止まっていたカンパニュラの前のサンタさんが踊り、やはりクリスマス本番は今日なんだと思い、区役所通りの雑踏を抜けて、愛知屋のレジスターの上に佇む社長にご挨拶。そして、めざすは緋の暖簾。
丸好で大衆酒場の魅力を学び、この店で昼酒の醍醐味を知る。この店でとかげさんの隣に座り、シェフにナンパされた年末。ワンコインで切り上げた出口で、暖簾待ちしていた親分と熊さんに善ちゃんに招かれた新春、まるっとした頭に凍える雪が染みた浅草の夜。緑と青に包まれたテラス席、山梨を尋ねた秋。そして、今日。すべてがはじまった店、それが宇ち多。
時刻は一時半、珍しく表に人がいないなぁと一列目の四番目に付けて、店内をのぞくと、うわっ裏がものすごいことになってる。三列くらいできてるんですけど(^-^;。平日は裏の方が多いのかねぇ。
店内は仕込みがなんとか終わって、あわただしい昼食風景。そしてアンちゃんが弁当を食べおわって、さぁ開店です。
引き戸が開けられ、一気の店内突入。クーラー下に陣取ります。
こちらはスタッフの死角になるので注文は難しいのですが、だからってあんまり大声張り上げるのも、興がない。しばらく待ちの姿勢で、ホネの箸が配り終わり、お父さんが焼酎グラスを運んでくるタイミングで、梅割りとウーロン茶をお願いします。
いつもの梅多め、琥珀色の液体が満たされたグラスが店内の薄暗い照明に照り映えて、猥雑な店内にも関わらず一瞬、時が止まるのを感じます。で、ここでもう少し我慢。いきなり梅に行くと死んじゃうんだから(苦笑)。まずはおなかにものを入れてから、タンナマ一つお願いします。もつが苦手な人でも、これはおすすめの一品なんですよね。平日だからとシンキを頼もうか、ましてコブクロがふっくらしておいしそうだしと思いつつも、量があまり食べられない以上、セレクトにセレクトを重ねねば。
まずはタンナマを一口。お肉な食感、酸味の利いたたれとタンの肉のうまみがいい調和。口からグラスを迎えに行けば、カァッとのどもとが熱くなるこの感覚。いいですねぇ、昼酒=生の公式を如実に感じる一瞬です。
※昼酒=生ビールじゃなくて、昼酒すなわち生きている、「人は昼酒をする時にこそ生を実感する」という学説。
一口入ると調子出てくるのよね(笑)。
前回同席した泥酔院さんに教えていただいた、煮込みアブラをオーダーするも、声が通らず普通の煮込みが出てきます。でも、これでもいいんです。大振りのフワ、ガツ、シロ、今回はレバに当たらなかったなあと思いながら、最後のかけらはこれが大本命アブラちゃん。うわ~、最後にいいもの引き当てたわ。
煮込みで少し淀んだ口元を、さっぱり引き締めましょう。おしんこにお酢をお願いします。そして、焼き物は、これはまずは文句なくツルたれでしょう。このしこしこした食感と噛み締めるほどに溢れる濃厚な肉汁。タレの甘みと肉汁の調和が素晴らしい。あー、これでごはんありだなぁ(苦笑)。本当の原点は以前にこのコラムでも述べましたけど、シロタレなんですが、今日はレバタレにしましょう。半焼きのレバの肉の甘さと外側のカリッとした香ばしさ、そしてタレ。この拳骨みたいなレバがいいんだなぁ。
そんなこんなで、今日は食べ中心に行ってみました。
5皿に梅1、ウーロン1で、170円×7点の1190円。なんてお得なランチでしょう。ご馳走様でした。
立石では当然の価格なんですが、やっぱりちょっと嬉しくなっちゃって、浮いたお金で栄寿司。大好きなイワシ二貫に、ホワッと崩れるアナゴ、肉厚のサーモンと四貫食べて、〆て1050円。
立石に暮らす喜びを満喫した昼下がり。
この街に勇気づけられて、みつめられて、いやされて、そして今日までたどり着いて。
そしてまた今日からはじめましょう。
今年もお世話になりました。来年も、そしてこれからもよろしくお願いします。