と♡し♡を ROWING

と♡し♡を ROWING

坂井俊夫のブログです。
「坂井 de Rowing」の復活版です。
61歳、老後生活中です。

45年間のボート経験で得た知識を書きます。
一応、全国制覇18回。日本代表コーチの経験ありです。

不思議な用語集です。

最近では、「死語」だと思っているのですが、

使われていたりして・・・

 

「ライトパドル」・・・軽めのパドル?

そもそも、最近、「パドル」も使わないですよね。

たぶん「パドル」って、「全力漕ぎ」のことだと思うのですが、

(僕も、大学時代は、パドルもライトパドルも使っていました)

その「全力」という定義が、あいまいなのです。

 

僕は、例えば、レート20でも、水中は「全力」で漕ぐべきだと思っています。

レート20だと、艇速が遅いので、当然、水中が重いのですが、

練習のターゲット(目標)を、HRにするべきなので、「カスカス」の空回りのレート20を出しても意味がありません。

水中は全力で、空中で調整する(強弱)レート20が、最適だと思います。

 

それは、レート18でも、24でも、30でも同じです。

そうなると、「パドル」って、なに?

ということになります。

「全力漕ぎ」という意味で使うのなら、僕の練習イメージとしては、

レート20も「パドル」になってしまいます。

 

もしも、「パドル」が「レース漕ぎ」を示すのなら、これは「コンスタント(レート)」の方が、明確になります。

このように、「パドル」の定義自体が、「あいまい」なのなら、

「ライトパドル」に至っては、全く意味がわかりません。

ボートの練習において、「全力」ではない漕ぎは、「ノーワーク」で十分です。

ちなみに、「ライトパドル」は、「ライパン」などと略されますが・・・

フジテレビの女性アナウンサーではないのですから、死語にしてください。

(~パンというアナウンサーのシリーズも終了したみたいですから)

 

「ライトパドル」は、死語にしましょう!

「パドル」も、練習の概念を変えると、ほぼ「死語」決定で良いと思います。

 

「短漕」・・・本数の少ないセット?

これも、あいまいです。ちゃんと、本数を明示しましょう。

「20本の短漕」・・・「コンスタント20本」で明確になります。

 

「スタ力(りき)」・・・スタート練習の一種?

たぶん、「スタート力漕」の略だと思うのですが、

これも、明確に「スタート5本、スパート10本」とか明示するべきです。

 

とりあえず、思いついたのは、3つだけでしたが、

最近の高校生チームも使わない用語を、使っているチームは、ちょっと「時代遅れ」ですよ!

前記事に、トランスポーテーションについて書きました。

 

「酸素の運搬能力を高める」トレーニングのことですね。

酸素を運搬するのは、血液(ヘモグロビン)です。

その血液を、どんどんと筋肉に送り出すのは、心臓です。

送り出させる血液の量は、ポンプの回転数×1回拍出量で決まります。

回転数=HR(ハートレート)ですね。

 

心臓が、配送センター

血液が、トラック

積み荷の、酸素を筋肉に送ります。

筋肉は、工場

工場が、どんどんと注文を受けて生産します。

ところが、工場までの道路が少ないと、トラックが渋滞します。

だから、道路を拡張して、通路を増やす必要があります。

その道路が、毛細血管

 

配送センター → トラック → 道路 → 工場へと、積み荷が運搬される。

つまり、心臓 → 血液 → 毛細血管 → 筋肉へと酸素がトランスポートされる。

 

本題です。

 

1回拍出量は、心筋(心臓の筋肉)の力で決まります。

ベンチ・プレスをすると、腕力が強くなるのと同じで、

心筋も、トレーニングを重ねると強くなります。

 

トランスは、基本的には、閾値(AT)より上のHRで行います。

つまりは、無酸素運動を行うことによって、

「もっと酸素が欲しい」というレベルでのトレーニングです。

HRは、180以上

筋力を使わないと、HRは上がりません。

つまりは、高い水中強度が要求されます。

 

目安としては、レートを上げることになりますが、レートについては、以前に書きました。

簡単に復習すると、「レートは、1分間のオールの回数でしかない」ということ。

レート30は、1分間に30回漕ぐという目安に過ぎず、艇速を表すものではない。

同じレート30でも、並べたら、速いクルーと遅いクルーがあるのは当たり前ということ。

 

ということで、ターゲットは、レートではなくHRであり、

その手段も、レートではなく、水中強度、ということです。

同じレート30でも、水中:空中の強弱によって練習効果が変わります

 

とりあえず、水中強度を上げないと、HRが上がりません。

HRが閾値を超えると、乳酸の分解が追いつかず蓄積されていきます。

乳酸が蓄積されると、筋肉がパンパンになってきます。

心臓は、乳酸を分解するために酸素を送ろうとします。

そのために、さらにHRが上がります。

 

ちなみに、心臓が大量の血液を送り出しても、道路が少なければ、筋肉に届きません。

そういう意味で、道路=毛細血管を増やすための基礎トレーニング、つまりユーティリは不可欠です

 

トランスは、心臓にも筋肉にも負担をかけます。

しんどいですね。

これを、インターバルなど、少ない休憩で繰り返します。

少ない本数・距離×セット数を繰り返します。

しんどいですね。

 

トランスは、ユーティリに比べると、地獄の苦しさが必要になります。

でも、これをやらないと、

レース強度=コンスタント・レートで、1000mあるいは2000mを漕ぎきれません。

 

ユーティリは、言い換えれば、トランスのための練習

トランスは、レースのための練習となります。

レースが、しんどいのは当たり前です。

勝つためには、しんどいトレーニングも必要になります。

頑張りましょうね。

ユーティリと、トランス

 

正確には、

ユーティリゼーション=利用する、使う

トランスポーテーション=運搬する、運ぶ

 

何を?・・・酸素を、ですね。

 

ムッシュー・ギザビエが、日本代表コーチになってから、

トレーニングのカテゴリーが、「B1~B6、C1・C2」と呼ばれるようになりましたが、

それ以前から使っていたカテゴリーが、「ユーティリ、トランス」です。

 

僕には、B1とか言うよりも、ユーティリとかの方が馴染んでいるので、このブログでも、こっちを使っています。

 

主に、有酸素トレーニング

つまり、「できるだけ、酸素を、いっぱい使えるようにしよう」でやるのが、「ユーティリ」

主に、無酸素トレーニング

「酸素が足りないので、もっと運んでくれ」でやるのが、「トランス」です。

 

最大酸素摂取能力を高める要素は、2つ(もしくは3つ)です。

 

1つは、毛細血管の発達

以前にも書いていますので、簡単に済ませますが、

筋肉内に、酸素をより多く届けるためには、血液の通り道を増やすことが必要です。

長時間、血液を供給していれば、通路が増えます。

これが、ユーティリの目標(ターゲット)です。

 

2つ目は、1回拍出量の増加

心臓が、1回の鼓動で排出できる血液量を増やすことです。

つまり、ポンプの性能を向上させることですね。

この心臓というポンプの性能は、絞り出す力=心筋(心臓の筋肉)の力によります。

心筋を強化するには、心臓を動かすことです。

心筋の、基礎トレーニングは、長時間動かすことが適切です。

これも、ユーティリのターゲットですね。

 

心筋を、より強化するには、その回転数を上げる=つまり、心拍数(HR)を上げれば良いです。

その効率が良いのが、有酸素と無酸素の境界点=閾値です。

閾値を超えると、「もっと酸素をくれ!間に合わない~」と、筋肉が悲鳴をあげるので、

心臓は、一生懸命に血液を送ろうとして、限界までHRを上げます

これで、心筋がトレーニングされます

トランスのターゲットですね。

 

3つ目

ヘモグロビンを不足させない

そのために、材料となる、「タンパク質と鉄分」を、十分に摂取することです。

 

ちなみに、筋肉で言えば

ユーティリに、より関わる筋肉は、遅筋

トランスに、より関わる筋肉は、速筋になります。

(ボートでは、遅筋だけ特化、速筋だけ特化などということは、ありません)

 

筋肉への負荷(かかる力)は、水中強度(重さ)で決定されます。

水中強度の指標(目安)の1つが、レートです。

(製品によっては、スピード表示がありますが)

 

練習メニューの中で、

レートを、どう設定するのか、によって、練習目的が変わってきます。

ユーティリと、トランス・・・ターゲット(何を強化したいか)によって、組み合わせを考えてやりましょう。

とりあえず、1・2年生は、しっかりと、ユーティリをやって、酸素摂取能力をターゲットにするべきですけどね。

2015年、女子サッカー日本代表の宮間あや主将が、

W杯決勝のアメリカ戦前に「これをブームではなく文化になっていけるように」と語っていました。

 

「どうすれば文化になると思うか?」と聞かれて、

「ひとりでも多くの方に浸透していると言ってもらえれば嬉しいのと同時に、2011年にW杯で優勝して以降、たくさんの方に関心や興味を持っていただいて注目してもらいながらも、日本国内の女子リーグでなかなか観客が増えない、または減ってしまっているという現状がある。

 大きな大会がある度に注目してもらっているとは感じるが、私たち自身は結果を出し続けなければすぐに離れていってしまうという不安を選手は抱えながら戦っている。なので、不安を感じなくなったら文化になったといえるんじゃないかなと思う

 

残念ながら、現在の女子サッカーは、一次の「ブーム」が去ってしまい、テレビ中継も減ってしまっていますが・・・

 

日本に「ボート文化」はあるのか?

もしくは、「ボートが文化となるきっかけ」はあるのか?

 

僕は、「2つある」と思います。

 

1つは、「戸田ボートコース」です。

初めて、戸田に行ったのは、1977年でした。

同志社大学1年生の時に、全日本大学選手権・全日本選手権に出場するために行きました。

 

別世界がありました。

瀬田も、東レ滋賀という地元有力チームや大学の艇庫がいくつかあり、高校生も盛んに練習していましたが、

これは「文化」と言えるほどのものではありませんでした。

単なる、1つのスポーツが行われているにすぎませんでした。

他の地域でも、同じ様なレベルだと思います。

 

ところが、戸田は違いました。

コースを中心に、いくつもの艇庫が並んでいる。

そこで歩いているのは、ボート関係者ばかり(まぁ、違う人がいても少数)

その空間は、1日が「ボートで始まり、ボートで終わる」ように感じられ、身が震えました。

「ボートへの応援団」も、初めて見ました。

(近年は、朝日レガッタにも応援団が登場するようになりましたが)

 

現在、ボート部に所属している高校生(中学生も)は、1度は「戸田の空間」を体験するべきだと思います。

日本にも、「ボートだけの世界があるのだ」と、感動できると思います。

ボートの世界が輝いて見えます

それは、ボート人口を増やすきっかけになり、「より日本のボート文化を高める」ことになると思います。

 

願わくは、戸田のボート選手は、カッコ良く居て欲しいですね。

くれぐれも、上半身裸で歩いて、近隣の方に勘違いされないように・・・

(鍛えた体を、カッコ良いと思うのは、単なる自己満足)

「単なるスポーツとしてのボート」と、「文化としてのボート」は、本質が違うべきです。

戸田の選手に押し付けてはいけませんが、日本のボートの代表者としての自覚を持って、

上品に、紳士淑女で、マナー良くあって欲しいですね。

そして、日本中のボート選手のあこがれであって欲しいですね。

(心からのお願いです)

 

2つ目は「市民レガッタ」です。

 

各地で、行われています。開催地の努力に感謝します。

素人でも楽しめるボートがあることは、ボート全体にとって、プラスになることは間違いありません。

とにかく、興味を持ってもらうこと。

楽しんでもらうこと。

ボートを、ちょっとでも経験してもらうと、オリンピックでも関心を持って観ていただけると思います。

 

時々、「学内レガッタで漕いだことがあります」という方に会います。

これも同じですね。

そういう方は、全員が「楽しかった」と言ってくれます。

 

とにかく、経験者を増やし、興味を持ってくれる人を増やし、

ボートをやってみたいという人を増やさないといけないと思います。

 

ボートは文化になるのでしょうか?

少なくとも、戸田や、各地の市民レガッタでは、文化になっていると思います。

 

もっと、興味を持ってくれる人、応援してくれる人、

そして、仲間を増やしていきたいですね。

「人間はポリス的動物だ」

古代ギリシア(ヘレニズム時代)の哲学家アリストテレスの言葉です。

 

「ポリス」とは、ギリシアの都市国家=都市単位の独立国家を示す用語なので、

「人間は国家的な動物」とか「人間は社会的な動物」などと解釈されています。

 

弱い人間が、遠い昔から生き抜いていくために得た能力は、「集団を作る」ことでした。

個人や、家族で戦うよりも、50人<100人の集団の方が、生き残れる。

1000人<1万人の集団の方が、豊かになれる・・・

このあたりの理論は、「社会契約説」で説明されます。

 

集団を構成するために必要なものは、「指示を出す存在」と「指示に従う存在」でした。

 

ということで、人間のDNAの中には、進化とともに

「指示する>指示に従う」もしくは、

「命令する>服従する」ということが、刻みこまれました。

 

友人関係でも、2人の場合は、通常では、どっちつかずですが、緊急時には、どちらかがリードすることになります。

3人以上になると、自然に「1人のリーダー」がはっきりとしてきます。

これは、人間のDNAとしては自然なことです。

 

ところが、この自然な形が、覆されることもあります。

 

家族に大切にされ、大切にされ過ぎて「自分が王様」のように勘違いしてしまうようなこと。

「わがまま」と、言い換えてよいような状態で、他の集団に接した時に、

自分の立ち位置を見失い、その他人との集団でも「王様」になってしまう人。

あるいは、自分の「わがまま」が通じず、集団になじめずに「家族の中での王様」に逃避する人。

 

マウンティングも、同じですね。

ちょっとでも優位に立つと、あるいは、他人の欠点を劣等とみなすことで「上に立つ」・・・「小さな王様」ですね。

 

話が変わりますが、

かなり減ったと思うのですが、テレビの嫌な番組がいくつもありました。

「どっきり」とか・・・対象の芸人が、騙されて慌てる様子を笑いのネタにする・・・

企画もので、台本通りかもしれませんが、

「他人が慌てる様子」を笑いものにする・・・嫌いです。

よく、番組内で、後輩芸人を殴る先輩芸人もいます・・・嫌いです。

番組とはいえ、出演者に高額商品を買わせて、笑い?(笑えるのか?)をとる芸人・・・嫌いです。

前の連続テレビ小説・・・登場人物の失敗などで笑いを取っていました・・・嫌いです。

(主人公が、美人ではないので、電話交換手になった、という設定・・・セクハラです)

 

個人の感性の問題であり、

趣味趣向で、他人を批判するつもりはありませんが、

社会を構成するのにあたり、

「他人を下に見たり、失敗を笑ったり、驚くさまを喜んだり」

それが、当たり前になってしまったら、その対象となった人は、何を感じれば良いのでしょうか?

 

マウンティングされることに従属し、自分の不満を抑えこんだり、

失敗して笑われないように、チャレンジできずに小さくまとまったり、

騙されないように、神経質になったり、他人を信用できなくなったり、

 

そんなことで、正常な「社会」が構成できるとは思えません。

 

そんなことをされている人、そんなグループに所属している人、

それは、小さな人間が作った「小さな王国」でしか、ありません。

勇気を出して、そこから出ていきましょう。

困っている人、苦しんでいる人がいれば、手を差し伸べましょう。

 

感性を育てましょう。

笑えないテレビ番組なんか、見ないようにしましょう。

笑われている人がいれば、その人の気持ちを考えましょう。

 

ボート部そのものが、言い換えれば「小さな社会」です。

それが、先生や先輩の「小さな王国」であったら、いけません。

みんなで、気持ちの良い社会にしましょうね。

信頼する部下とか、家臣とかを「右腕」などと表現します。

 

僕のチームでは、よくサポートしてくれる卒業生がいました。

坂出高校や坂出商業高校は、比較的に女子生徒の割合が高い高校のため、

ボート部員も、女子が多いのが特徴でした。

そういう事情もあり、合宿や遠征では、よく女性卒業生(OG)に手伝ってもらっていました。

 

男性である僕が、気が付かないことなどをサポートしてもらうためです。

これって、結構、重要なことだったと思います。

 

「先生」に言えないようなこと。

「男性」に言えないようなこと。

女子高校生には、当然のように、いろいろとあるはずです。

(ない、わけがない)

そういうことが、サポート役のOGを通じて、伝わってくることは、

チーム運営において、重要だったと思います。

 

歴代、県内に進学したOGが、手伝ってくれていて、

そのOGが、社会人になって手伝えないようになると、

タイミング良く、県内進学のOGが出てきて、サポートを引き継いでくれていました。

引き継いでくれるOGは、当然、

自分が「お世話になった前サポート役」を見て、引き継いでくれるわけです。

これが、結構、続いていて、かなり助かりました。

 

そうやってサポートしてくれるようなOGは、

自分の意思で、そして、坂井先生や、後輩のことを優先的に考えることができて、

僕なんかよりも、優れた人格を持っている人が多かったように思います。

 

僕は、やっぱり仕事の一部でもあるわけですが、

サポートOBは、自分の時間を使って、優先して手伝ってくれているわけですから、

当然、それが部員にも伝わり、チーム状態を良くするエッセンスにもなっていました。

僕にとっては、信頼する「右腕」として、かなり依存していた部分があります。

僕の指導歴の中に占める「サポート役OG=右腕」の存在は、かなり大きいと言えます。

 

数人いる、そのような「右腕」の1人が、

居石真理絵さんでした。

 

坂井チーム全員の、妹であり、お姉さんでした。

 

先日、亡くなった、居石さんの、ご冥福をお祈りします。

 

今日から、ブログを再開したいと思います。

亡くなった教え子について、多くの問い合わせがあったので、

失礼のない範囲で、お知らせします。

 

お亡くなりになったのは、

居石真理絵さんです。

 

平成5~7年度、高松高校ボート部所属

 

平成6年、愛知国体:少年女子舵手付きフォア6位

平成7年、全国高校選抜:女子シングルスカル8位

 

香川大学→筑波大学大学院

国立スポーツ科学センター(JISS)・筑波大学・鹿屋体育大学などで研究員を歴任

 

平成24年には、香川県で国体指導者研修会の講師をするなど、

ボートだけでなく、多くのスポーツ指導者研修会の講師をされました。

 

ご冥福をお祈りいたします。