どうやら、身辺調査をしようと観察したり、周りの人間の話を聞いていると、本人もヲタクらしい。


あれから、だいぶ喋れるようになってきたと思えば、こいつは変だ。


①授業中に俺の国語の教科書に毛の生えたドラ○もんを描き、「私です!」と付け足す。


…それは俺じゃねぇ。しかも怖ぇよ。俺の姉ちゃんに見せたら怖がってんじゃん。


②教室に乱入したヤモリを捕まえ、社会の時間中横でどうやら可愛がっている。


俺に見せ付けんな。撫でてんじゃねぇ。つかその手で触ろうとすんな。


③ダンゴムシに俺の名前をつけて呼ぶ。


だから俺じゃねぇっての。楽しそうに笑うな馬鹿。


だいぶ、分かってきた。


無邪気に笑うところ、意味の分からないところ。


社会以外の移動教室は嫌になって、いつの間にか目はアイツの方へ向くようになった。


そんなある日の出来事。

この辺の記憶はあまり無い。が、こういったきっかけで達哉と会話するようになった。


ある日姉がバイトから帰ってくると、こう言った。


「優紗、横って前原達哉君なんやろ?」


はぁ?とうとうこいつ学校に忍び込みやがったのか?


それとも超能力でも使えるようになっちまったのか?と思いつつ、


「誰に聞いたよ?」


と、聞いて欲しそうなので聞いてやる。


「お姉ちゃんなぁ、超能力使えんねんで…(・言・)」としばらく意味の分からないことを言っていた。


そんな事を信じるほど馬鹿じゃねぇよ、と、しばらく無視していると言い出した。


「達哉君のお姉ちゃん、彩さんとバイトで知り合いなんよ。あんた、悪ノ娘の小説学校で読んでたやろ?


彩さんも同じの読んでて、達哉君が「それ、俺の隣の奴も読んどるわ」って言ってたんやって」


はぁはぁはぁ、そういうことか。納得。


「どんな子なん?」と姉が興味を持った為、興味を持った俺は、


「目が綺麗で、運動出来て、カッコいいからモテるらしいで?また調べといたるわ」と面白半分に答えた。


それが俺の、最初の失態。

中学三年生の夏。


中学生活まだ半分あるやん…とか言いながらただ呆然と日々を過ごしていた。


そう、人生ブレイカーと出会うまでは。


だって受験って何それ美味しいの?って感じで現実逃避してたもの。


家に帰ってもヲタクらしく鋼のハァハァしてたもの。


こうして、中三の夏が過ぎようとしていた。


体育祭が終わり、席替えしようぜって事で席替えしたんだよ。


いつもと変わらぬ、くじ引き方式。


横に座った男子は一体どんなイケメンだろうと見てみたー(冗談


(…誰やねんこいつ…ぜってぇこいつ俺のクラスじゃねぇ…


これが人生ブレイカーの第一印象。挙句の果てに目つきが悪い。怖ぇ。


(うっわ俺睨まれてますけどwww死亡フラグキタ


印象は最悪。こうして一ヶ月…いや、もっと長い時間をこいつと過ごす事になった。


「初めましてやんなぁ、よろしく!」


基本的に友達になりたいので声は掛けます。俺いい子!


…無視。


この瞬間、こいつ―前原達哉―は俺の敵ロックオン。


社会科教室でも達哉と隣になる事を知るのは、もう数日、後の事。