ある「愛」の話です。 | 結婚情報サービス現役マッチメーカーの奮闘記ブログ

ある「愛」の話です。


先日、アメリカ在住時代にお世話になっていたホストファミリーのおばあちゃま(私は今でもGrandmaと呼んでいます)と亡くなったおじいちゃま(Grandpa)についてゆっくりと話をする機会がありました。

彼らの結婚にはとてもロマンティックなお話があり、近くに住んでいた頃は素敵な話をたくさん聞かせて貰いました。テキサス出身の彼女はカリフォルニアで仕事をしていた時に軍で働いていた彼と出会い、二人は親しくなったそうです。お互いの将来の話は出ていなかったものの、幸せなお付き合いを続けていたある日、テキサスの両親から家に戻り結婚をするように言われ彼女は悩んだそうです。シャイで寡黙な彼から将来の話が出ることは難しい、そして厳格な父親に逆らうことはとても想像できなかった彼女は彼に田舎に戻ることを話し、まだ若かった二人はお互いに何も言い出せないまま彼女がテキサスに帰る日となってしまいました。彼は「バス停まで送っていくよ」と言って車で一緒に行ったものの、何も言えずテキサス行きの長距離バスが到着。立ち上がった彼女に向かって一言「僕と一緒に行かないか?」と聞いたそうです。そして「Yes!」と答えた彼女を車に乗せ二人はそのままラスベガスに次いでギャンブルで有名なRenoへ向かい、二人きりで結婚式を挙げました。そして翌年には一人娘が誕生し、一昨年の夏に彼が亡くなるまで二人はお互いを「Only One」として幸せな結婚生活を送っていました。

Grandpaは本当に寡黙な人でした。一度、私も一緒に思い出の地Renoを訪れた時のエピソードは今でも良い思い出です。家族全員でディナーのテーブルについた時、なんだかゴソゴソとポケットを探っているGrandpaに「どうかしたの?」と尋ねるといつもの低く素敵な声で「これを君に・・・」と言ってGrandmaの目の前に小さな箱を。中身はシンプルでオシャレなイヤリングでした。Grandmaは大喜びでキスの嵐!シャイであまり多くを語らない彼でしたが、きちんと態度で愛情を示す人でした。私もそんな彼のことを今でも大好きです。

彼に関してのエピソードをもう一つ。彼は電話も苦手でどうしても電話をかけなければいけない時はGrandmaにかけてもらい必要な時だけ自分が話しをする・・という徹底ぶりだったのですが、彼が亡くなる少し前にとても不思議なことがあったそうです。ちょうど家族でサンタフェに旅行し、長距離を車で移動しやっと自宅にたどり着いた時、ふいに電話が・・Grandmaが出てみると5年近く連絡をとっていなかったお兄さんからでした。「何かあったの?」と尋ねると「いや、留守番電話にラウル(Grandpa)からメッセージが残っていたんだよ。遠慮がちな声でマリア(Grandma)に連絡してやってくれって。何かあったの?」との事。「そんなわけないわよ。私たちはずっと旅に出ていたし、彼はあなたの番号を知らないもの。また私をからかっているんでしょ!」と言いながらも久しぶりにお兄さんとの会話を楽しんだ彼女は「きっと電話をかけてくるきっかけがほしくて、あんな事言ったのね」と思ったそうです。既に休んでいたGrandpaには特にその話はしないまま、その3日後に彼は天に召されました。最後の言葉は眠る前にリビングで縫い物をしていたGrandmaにかけた「僕は先に休むよ。でも君はゆっくりしなさい。」という言葉だったそうです。

人によって愛情表現の仕方は様々です。言葉で示す人もいれば、態度で示す人、表現できなくても誠実で居続ける事で気持ちを表す人、もしかすると不思議なエピソードと共に残された人の心に愛を刻みこむのも愛情表現の一つなのかもしれません。

 

話をしている間Grandmaは何度も「私は何も後悔していないわ。彼は私を愛してくれていたし、何よりも私は彼を精一杯愛したもの。今でも気持ちは一つよ。彼が私のOnly Oneなの。」と繰り返していました。

 

もしも明日、相手が目の前から消えてしまったとしても後悔しないほどの愛情を日々贈ることが、一生を懸けてその人に愛される理由なのかもしれない・・・彼女の言葉を聴きながら胸が熱くなるおもいでした。