こんにちは。
今年の元旦のことですが、12歳年上の従兄弟と久しぶりに会いました。
その従兄弟はジャズ好きの男です。
彼が何年も前からサックスを吹いているのは私も知っていて、実際に演奏しているのも見たことがありました。
今まで質問したことはなかったのですが、正月に会った際に訊いてみました。
「何歳の頃に、ジャズが好きになったの?」と。
答えは、「二十歳前後かな」とのことでした。
その頃に、彼は友人からジョン・コルトレーンを教えられて、聴いてみたら虜になったそうです。
音楽って、インパクトを受けた時のことを、忘れないですよね。
私の場合は、こんな感じです。
確か、中学生の頃です。
同世代の方ならお分かりいただけると思いますが、当時(1980年代)は、FMラジオの番組表を載せている雑誌が何種類もありました。
三つぐらいは、雑誌名を思い出せます。
・FMファン
・FMステーション
・週間FM
きっと、他にもあったと思います。
それらの雑誌の内容はというと、
・向こう二週間分のFMラジオの番組表
・人気アーティストの記事(インタビュー含む)
・新譜紹介
・洋楽チャート
・オーディオ機器の紹介
といったところでした。
洋楽チャートというのは、ビルボードやキャッシュボックスの、シングルとアルバムのヒットチャートです。
今、ブログを書いているうちに、いろいろ思い出してきましたが、自分が持ってる(というか吹き込んだカセットテープを持ってる)アルバムがチャートに載っているのを見つけては、赤線を引いたりしてました。
さて、そんな頃のある時、『ボスが帰ってくる!!』というような見出しで、ブルース・スプリングスティーンの「ボーン・イン・ザ・USA」というアルバムが、大々的に紹介され出しました。
しかも、どのFM雑誌も紹介していました。
私はそれまで、ブルース・スプリングスティーンのことは全く知らなかったのですが、とにかく、どの雑誌もすごく盛り上がっているので、「聴いてみたい!」となりました。
レンタルレコード屋に入荷するのを待てませんでした。
ということで、LPレコードを買って、家に帰るやいなや、レコードをジャケットから出して、ターンテーブルに置く・・・。
もちろん、これは他のレコードを聴く時も同じですが、静電気防止スプレーをレコードにかけて、専用のソフトなブラシでホコリを取り除いたのは言うまでもありません。
そして、一瞬の静寂の後、スピーカーから音が流れて来た時に。
私はブッ飛びました。
あの時のインパクトが、私をロック好きにしたのだと思います。
ところで、当時のレコードにはA面とB面がありました。
「ボーン・イン・ザ・USA」を初めてターンテーブルに乗せた時、私はA面とB面を間違えていました。
つまり、A面の一曲目を聴いているつもりで、実は気づかずにB面の一曲目を聴いていたことになります。
しかし、それが決定打でした。
B面の一曲目である「ノー・サレンダー」のイントロが全てでした。
ドラムの『ダッ、ダッ、ダッ、ダッ、ダダダン、ダダダン、ヅッ、ダダダダッ』に続いて、ブルースのボーカルで『オー、オー、オー』・・・。
完全にノックアウトでした。
そんな、A面とB面の間違えという運命のいたずらがあったおかげで、私は、ロックファンとしての長い旅路に足を踏み出したわけです。
今ではもう、ブルース・スプリングスティーンの熱心なファンというわけではありません。
しかし、ごくたまに、動画サイトなどで「ノー・サレンダー」を聴くと、グワーッと盛り上がります。
「ノー・サレンダー」。
イントロだけでなく、(基本的に同じですけど)アウトロも最高です。
あの頃のブルース・スプリングスティーンって、まだまだマッチョ過ぎずで、ほんとにカッコよかったですよ!