誉め言葉 | DES-L officialホームページ

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正月に同級生たちと飲んだ際

高校の頃付き合っていた彼女が入院していると知りました。


二年間付き合って、彼女が東京へ進学するため、お互いのためにと別れました。彼女は別れたくないと言ってくれましたが、俺が遠距離恋愛をする自信がなかったんです。


「仕方ない、君のために別れてあげよう」



新幹線のドアごしに彼女は泣きながら手を振りました。俺はごめんと何度も心の中であやまりました。





たまに連絡は取り合っていたもののいつの頃からその連絡もなくなり、自分も日々の生活に追われ、疎遠になっていきました。



そんな彼女が、重い病気を患い、近くの病院に入院しているのだ
と聞いて、正直俺は会いに行っていいものか迷いました。

今さら俺が行って彼女はなんて思うのか

もし付き合っている人がいたら俺が行っても良くは思わないだろう

とか


自分の弱さがつくづく嫌になりました。


俺はあの頃の自分にケリをつけるためにも会いに行こうと決めました。ただの自己満足なのかもしれませんが



病室に行くと




すっかり痩せてあんなに大きな瞳が小さく力なく瞬きをしていました。



思わず言葉がつまり、なんて話したら良いのか頭が真っ白になりました。

それからお互いの過ごしてきた年月を計るかのように話をしました。
けれど彼女の歩幅は弱々しく、会話をするのもつらそうでした。








何か欲しいもんはあるか??




その場所にいるのがつらくて

何もしてやれない俺が



やりたいことはたくさんあるのに何も出来ないこいつの前にいるのがただつらくて





そんな俺を察してか






しばらく黙った後、彼女が欲しがったものは意外なものでした。





「…………誉め言葉かな…ほら、付き合ってたときなかなか誉めてくれなかったから。最後くらい誉めてよ」




彼女の口から出た最後という言葉が俺の呼吸を奪いました。


「こんなに元気な奴の
【最後】なんて言葉はあてにならないからな。俺は誉めないぞ。」








「ケチ」





「ハハッ…そんくらい悪態つければ大丈夫だ」




4日後 雪がちらつく暖かな午後に彼女は静かに息をひきとりました。




最後の言葉は


「ありがとう」



だったそうです。


明日は彼女のお葬式



頑張ったね




そう誉めてやりたいと思います。