私は部屋を貸していただける約束を取り付けた。
しかしあくまで口約束だ。 東欧からの移民一家。
ウィーンの大学に登録し, さらに今度はアメリカに行って
MBAを学びに行こうという, 向上心の塊のような, 理知的な女子学生。
私が小さな弟さんにも、大人と同じようにきちんと挨拶した時、
少しだけ可愛がるしぐさをしたとき、英語ができないお母さんがとまどいながら
お辞儀をかえして握手したとき、部屋の受け渡しについて
ナーバスに質問したとき、少し微笑んだような感じはあった。
ただし
家主女性: 「契約けっこうですよ」
は何か含みがある。 これは外国暮らしで研ぎ澄ませる。言葉の裏にある本音。 コレジャナイ感。
私は部屋探しを解放されたとはいえ、まだ大学の住居案内ページにアクセスして、情報収集メモはやめない。
訪れたりはしないが、自分の本能がうまくいかないなにかを語っていた。
