人物のパス抜き【STEP1】
STEP1
難易度★

アンケートを多数頂いた中で「人物の簡単なパス抜き方法を教えて下さい」という要望がありましたので今回より「パス抜き」、特に人物に絞ってテクニックを纏めます。
まず皆さんにお聞きしたいのですが、人物は「パス抜き」をして使用しますか?
坊主の人だったらいいんですけど、髪型によっては「パス抜き」が不可能に近い物もあります。
私は人物は大抵Photoshop上で全て処理します。いわゆる「パス抜き」をしっかりとしてIllustratorにリンクを貼る…という作業はしていません。どうしてもIllustratorにパス抜きをしたリンクを貼りたい!!という方は業者に依頼する事をオススメします。今は格安のパス抜き業者は検索すればいくらでも出てきます。コストを考えると人物以外でもパス抜きをする際はアウトソーシングがベストチョイスなのではないでしょうか。
という事で、私は人物や動物など(所謂「毛」が存在する物)はPhotoshop上で「レイヤー」として全て処理しますのでここでは「一貫してパスを使った抜き方」は触れません。写真によっては部分的にパスを使用する物もありますが、結局パス抜きに効率化のテクニックはほぼありません。ひたすら外形に沿ってパスを描くだけですから。
というわけでここで纏めるテクニックは「簡易的」と言えば簡易的な抜き方になります。
特にWeb用であればそんなに精度は求められないと思いますのでオススメします。
今回の素材として「モデルピースさん」から写真をお借りしました。
元の人物やロケーションによって4つの段階に分けました。
クライアントから写真を支給される場合等は大抵抜き易い背景の事とか考えてくれませんからね。。
白シャツで白バックの場所で撮らないでください!!なんてクライアントには中々言いづらい(笑
【難易度★】
人物と背景の境界線がはっきりしている素材

【難易度★★】
人物と背景の境界線がはっきりしているが、髪の毛が少し複雑

【難易度★★★】
人物と背景の境界線が一部分融合している

【難易度★★★★】
人物と背景の境界線の色相いが完全に融合している

今回は【難易度★】に挑戦します。
ここまではっきりとした境界線ならとても簡単です。
「自動選択ツール」で白い背景を選択します。許容値はここでは10にしていますが、背景と人物とのバランスであまり人物を選択しない数値に調整してください。許容値が少ないほど、狭い色域で選択されます。

全部選択しきれない部分は再度shiftを押しながら選択していきます。

大体の背景が選択出来たら選択範囲を反転します(command+shift+I)。

背景と似ている色で選択してしまった部分を補正します。補正は自動補正ツールの数値を変えて行うか、「多角形選択ツール」「なげなわツール」等で描写します。



大体の補正が出来たらそのままカット(command+X)してペーストします。人物は「レイヤー」になります。
そして背景を極端な色で塗りつぶし、抜きの最終チェックをします。

ここでは右目・後頭部の髪の毛・右肩にかかっている髪の毛に若干白が出てしまっていますので補正します。
ここでの補正は「人物のレイヤーを削る」という行為になりますので「消しゴムツール」で消すか選択範囲を新たにとってDeleteという選択肢があります。私はペンタブレットを使用しているので消しゴムツールでパパっと消してしまいますが、マウスの方はいらない部分の選択範囲を取り直してDeleteした方がいいです。
※ここでの選択範囲の取り方もお好みです。自動選択ツールがオススメです。
ここでの補正が終われば完成です。

他の素材にペタリ。

と、こんな感じで基本的に背景がしっかりと分かれていれば自動選択ツールで大体抜けてしまうので簡単です。
Web素材なら十分です。DTP素材としても選択範囲を丁寧に取れば大丈夫です。
次回からどんどん難しくなりますのでこの基本はしっかりとおさえておいてください。