未来社会ではビッグデータはじめ、膨大な情報が消費されることが予想されます。
情報の単位はビットであることが知られています。では、「情報の消費量」の単位(物理次元)は何でしょうか。
ウェブで情報消費や情報消費量の検索をしてみましたが、まともな定義は不思議なことに、まったくありません。そこで、勝手に創作し定義してみようと考えました。
そもそも「情報消費量」とは、どういう意味でしょうか。
情報の消費の意味を考えるために、対語となる情報の生成(生産)から伝達、そして消費までの過程を考えてみます。この過程は、次のキーワードで示すことができると考えました。
①生成・生産過程:測定や観察結果、検索対象、創作物、意志表現物など
②t伝達・供給過程:マスメディア、ネットワーク、CDROM、ネット等の媒体
③受信・消費過程:理解、意思や行動の決定、娯楽的開放感、快感等、心的沈静化
①の生成・生産過程で身近なものは、ウェブ、TVの取材、天気予報、新聞などです。映画、音楽、ゲーム、絵画もその仲間です。また意志表現物とは、電話やメールなど文字や音声、動画で表された個人の意見、感情表現などです。
伝達・供給過程の②で思いつく物は、紙でしょうか。 さらに電話機材や電波媒体そのもの、ネットワーク、またそれにつながるパソコンやソフト、モデム機器もその過程の代表物です。人間社会に限定すればこうなるでしょうが、動物や昆虫など生物全般のことを考えれば、「特定の種の集団内で生産された意味のある記号や現象を送受信する介在物すべて」と定義すればいいかもしれませんね。
以上の情報生産過程と伝達の過程は日常生活でよく経験しており、ここで情報の量を表すとするなら、「ビット(あるいは文字なら語数)」で表現することが適切かもしれません。
しかし情報を受信して消費をする③の過程ではどうでしょうか。
ユーザーに届いた情報は、やはりビットの単位で考えるものでしょうか。
もしそうなら、「今日の天気予報は50ビットの内容だった」「今日の拉致事件の報道は100kビットの刺激だった」という捉え方をするものになります。
これでは情報の量的な面だけ示し、消費過程を何も示していません。消費過程では、たとえば電気エネルギーのワットが熱のカロリーや機械的仕事ジュールのように「ビット」とは別次元の単位に変化すると考えます。この別次元の単位を創作してみましょう。
情報消費の代表例として昔から膨大なお金をかけ、どんなメディアが登場しても全然すたれない「天気予報」を例にとりましょう。天気予報では例えば「明日50%で雨、最高気温12度」の情報生成と伝達をします。すると、多くの人はコートを着て傘をもって行こうと、活動計画を立てることになります。人間だけでなく、動物や昆虫もこれに似た適応予測行動をすることでしょう。このとき天気予報は、人間に何を消費させたのでしょうか。
予報はあくまでも予報であり完璧にあたるわけではありません。しかしそうした「現実とは異なる記号的メッセージ」が電気エネルギーのように人や動物、昆虫の頭脳に入り込み、何らかの行動や行為に及ぶものとして変化、変質したのです。
ここで消費され変化したものは、受け取った人の不安感の低減、そのもとになるアドレナリン量の多少であると考えられないでしょうか。ニュースやドラマが面白かったという消費の程度も何かの量で示そうとするなら、脳内のドーバミン(快楽感を作る化学物質)が何ピコグラム放出されたか、となるのでしょうか。
こう考えると、「あのニュースは、タバコ1本分に匹敵するドーバミンの快楽さがあった」とか、「明日の天気予報は、上司に怒鳴られるくらいのアドレナリン量だ」というように、生物特有の物質量に単位互換ができそうです。これを③の過程の情報消費量単位として使えそうですね。
しかし、人間や動物の化学物質量をいちいち持ち出すと話が複雑になります。
力学分野で消費というと、熱量でも仕事量でもいったん「ジュール」にまとめますが、情報消費の単位もそうするのがよさそうです。ドーパミンやアドレナリンは質も量も違いますが、これをいっしょくたに「ホルモーネ」と呼ぶことにします。これが情報消費量の単位です。
ホルモーネは未知の化学物質を含むさまざまな微量物質の総称であり、情報に反応する単位行動エネルギーに変換できるものとします。そういう面でこのホルモーネは、エネルギー単位の「ジュール」とは異なり、労働時間に変換可能な貨幣のような単位と考えます。ただし人間のみならず動物や昆虫また植物も予測適応をしますので生命体全部にこの単位が通用するとします。
さて、「ホルモーネ」の値が大きければ、情報消費量が大きいものとします。とりあえず人類共通の情報消費量の単位を規格制定します。例えば、情報を何も受け取らず未来の状況に対して全く無知の状態を0ホルモーネとします。
1ホルモーネは、1週間前に知る天気予報ぐらいの消費量で、「あ、そう」というストレスの程度です。
10ホルモーネは、交通取締りのブザーが鳴り、そろそろ出会うかなという程度の消費量です。
50ホルモーネは、異性からの結婚承諾、またフラれる知らせを聞かされるレベルです。
100ホルモーネは、身内の不幸のレベルです。
1000ホルモーネは、自分の生命を覚悟したときのストレスのレベルです。
それでこんな単位を作って何が有益かというと、情報生産品の「面白さ」や「役にたつ」度合いの客観的な評価ができることです。
現在は、あの映画は三ツ星レベルだ、とか、そのホテルは五つ星だ、またアンケートで、「とても役にたった」「まあまあだった」の感想値を提示していますが、それらは実は全部、新しい情報消費量ホルモーネに還元できるのです。逆に言えばこうした心理的評価は実は全部、情報消費量の概念でくくられるものであったと再確認できるはずです。
情報消費量は貨幣のような単位であり、まさにビットコインのように、貨幣へも直接交換できます。たとえば技術改良で新しいメディアを使うと、この○○回線では何ホルモーネ向上するというように、一定の規格基準により表現することができます。
もうひとつの大きな用途は、人工知能システムにコンテンツ情報の価値判断をさせることです。仮想人格にソフトウェアを使わせ、あるいは新作の映画を鑑賞せた、テスターの針のように「○ホルモーネ」と表示させます。まるでカラオケ点数表示器のような感じがしますが、いろいろなノウハウを積み重ね、全人類が感ずるータに近くなるように校正します。
もしこの情報消費量の測定機械があれば・・・
情報の消費段階での情報の価値がわからず、有名大学教授や官僚の談合まがいの会議でしか決定ができなかった情報関連新規事業に対し、誰でも独自の判断で融資できると思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。