とんとんとんドン -3ページ目

とんとんとんドン

伝統芸能、和楽器、舞台と農業を勉強する「地力塾」での日々。
毎月20日の23時58分頃更新。

・・・

先月、飯田市で7年に一度の「お練り祭り」が開催された。

感染症対策に取り組みながら、飯田下伊那の様々な姿の巨大「屋台獅子」が街中を練り歩いた。私は初めてのお練り祭りを【阿智黒丑舞保存会】の皆さんと一緒に体験させて頂き、姉弟子の久美ちゃんと二人で子丑の役を努めた。

 

飯田は獅子舞に対する想いが熱く、小さな子供たちまで「あの獅子カッケェ〜」などと言いながら、食いつくような憧れの目で獅子を追う。そんなに喜んでくれるなら、こちらだって頑張っちゃいますよ!体力がまだたっぷり残っていた2回目の演舞後、「サービス!」と思い、写真撮影の時間に子丑で登場した。

 

ちょっと出るつもりが、次から次へと写真を撮りに来てくれるお客さんの波に乗せられ、子丑の下半身だった私は、前習えをして、肩と平らになるように頭をグッとさげ、さらに膝を曲げてやや前かがみ、と言う、世にも不自然な体勢をその間キープしなくてはならなかったのです。大丈夫ですよ。初めは。

 

でも、2分、3分…5分、10分…なかなか終わらない。

徐々に腕が震え始め、額から脂汗がダラダラと滴る。

ピキッ

あ、これはヤバイ…と言う痛みが肩甲骨と背骨の間を走った。

それでもまぁ、お祭りですから。そんな事はすぐに忘れ、あちこちで合計42回の演舞を突破した。

 

翌日、肩・首に負担がかかっていたのは分かっていたので、朝晩念入りに肩甲骨付近のストレッチに励み、「体調管理も出来るようになったもんだ」と自画自賛。

しかし首の調子は良くなるどころか悪化していく。

数日後には全く動かせなくなり、眠れなくなるほど強い、ズキンズキンと打ち寄せる痛みの波にのまれていた。

 

2週間後の舞台の心配もあり、鍼灸接骨院へ駆け込んだ。

 

筋肉を解す電気を流した後、針やテーピング、ストレッチで、あれよあれよという間に首が動くようになり、翌朝には痛みがほとんど引いていた。

 

それもナイスタイミング。ちょうど首の動きが戻ってきた日、猟友会でお世話になっている方から猪が届けられ、急遽、解体作業が始まった。

 

激痛の原点を理解したくて筋肉の解剖図を調べていた私は、「これが僧帽筋になるのかな?」「ロースは、人間で言うとどの辺かな?」

なんて考えながら猪を解体した。


 

そんな事もありながら、おかげさまで炎症は落ち着き、先日13日の公演では問題なく動き回れた。

 

でも「動ける」と言っても、思うように動けているわけでは、ない。

例えば、屋台(と言う太鼓の演目)の大胴、難しいんです!

太鼓を打ちながら「何か違う」と感じ、後日映像で点検しても「やっぱり違う。」

どうしてもわからないのでお師匠さんに聞いてみた。

「あぁ、やろうとしてる事はわかるよ。でもそれはね、打とうとして腕を前に出そうとしてるからだよ。前に出すんじゃなくて、上げる方を引く、と思った方がうまくいくんじゃない?」

 

♪ おしてもだめならひいてみな〜

ってやつですね。

それは舞を説明する時もお師匠さんがよく言うこと。

 

「回る時、向く方の肩を前に出したくなるけど、逆の肩を引く方を意識した方が勢いをコントロールできる。」

「跳ぼうとして足を高く上げようとするけど、飛ぶ前にしっかり体を下ろした方が高く飛んだように見える。」

と言うように、印象に残った動きをそのままやろうとすると、たいがい上手く掴めません。カラクリのタネは、ちょっと違うところにあるのです。

そこが面白いんですよね。

 

今回の肩の痛みも、私に言わせてみれば原因は、一番出っ張っている背骨から3っつ下の骨の真横の…そこ!

だからいつもそこをグリグリグリ…

 

でも、接骨院へ行ってようやく分かりました。

本当の痛みの原因は、痛いところではなく、違う筋肉だったりすると言う事。

例えば背中が痛いのは、前の筋肉が硬すぎるから。脇の下、鎖骨、むね、肩、横首…原因はそっちなんです。

痛いのは後ろ、原因は前。そう、私の問題は肩ロースじゃなくて、ネックとマエバラ(ブリスケ)だったんだ!

 

つまり、あまり正直に考えちゃいけないんですね。

筋肉痛も、太鼓も踊りも、動きの仕組みを分解して、何が本当にその動きを支えているのかを理解しなくてはいけないのです。


 

勉強もかねて、もう一頭、猪か鹿をとって解体したいなぁ。