できる・できない | とんとんとんドン

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伝統芸能、和楽器、舞台と農業を勉強する「地力塾」での日々。
毎月20日の23時58分頃更新。

最近、私には悩みがある。

 

それは陽が昇る時間が遅くなるにつれ朝起きれなくなっている事だ。

 

目覚ましの大きな音がピーッピーッと鳴ると「起こしてはいけない」と実際はとっくに起きている姉弟子への無駄な気をきかせ時計を布団の中へ突っ込む。そのまま音は私にすら聞こえなくなり、気が付くと一時間が経過している。やっと起きた頃には、朝の掃除も朝食も済ませコーヒーを飲みながら読書をしている久美ちゃんが居間に。初めは「おかしいな〜、今朝も目覚まし鳴らなかったんだよねー」と言い訳をしながら登場したが、近頃は「そもそも生まれた時も出産予定日から二週間遅れたし。もう生まれつきなんだよ〜」と開き直っている。

 

今夜もこの記事を書き終わったらまたこのギャンブルに挑むのだ。残念な結果が続く中、実は毎日挑戦する事が少し楽しかったりもする。明日はどうかな。できるかな。

 

考えてみるとここでの活動は様々な事に当たって「できる・できない」の間に立ち、どちらに針をふるか、という活動なのかも知れない。

 

例えば今年二月に開催された「和来座」。一時は来年はできない事になっていたが、昼神温泉の方々のご協力とお師匠さんの「始めたことは続けたい」という揺るぎない思いのおかげで来年も「できる」という結果になったのだ。

 

やった〜!またできる!大喜びの弟子二人の前に初めての演目がたっぷり練りこまれている台本が現れた。これからその和来座に向けてのお稽古に励むのだが、私は新しい事に挑戦する時わりとネガティブなタイプ。新しい曲を教わった時、最初のリアクションはいつも「あ、無理」。「本番に向けて覚えてね」と言われても「すみません、できません、って謝ろうかな」と一度は考える。しかし私がそんな弱音を吐くと久美ちゃんは笑いながら即答する。「え〜できるでしょー!練習すればいいんだよ。」

 

そうなのかなぁ〜、と半信半疑でとりあえず練習を始める。落ち着いて、分析して、繰り返して…すると、少しづつ「絶対できない」が「あれ?できるかも?」「できそう!?」「できた!?」「できた!」「できる!」と進化するではないか!

 

あの会場であの企画、できるかな。

あの舞、あの楽器、私にできるかな。

Tシャツ、作れるかな。

イノシシ、獲れるかな。

 

できる・できない。お師匠さんはいつもその境界線に立たせてくれる。そして やってみれば、できないができるになる事が沢山ある。という事に気付かせて下さる。