その青年の特徴を一言で表すと・・・風・・・あたしはそんな感じがした。全身が真っ黒で統一されていたけれど、長身とシャープな体がとてもマッチしていた。顔も雑誌などのモデルをやってそうな顔つきをしていた。まぁあたしはこの言葉が好きじゃないんだけど・・・イケメンと呼ばれる人種だ。

 イケメン・・・あたしはこの言葉は何時生まれたのだろうと考えようとしたことがあるが、全く分からなかった。そして考えたことに後悔するわけだけど・・・


 あたしはその青年を不思議に見ていると、信号がいつの間にか青色に変わっていて、たまっていた水が一気に出てくるように人々がいっせいに歩き始める。それに巻き込まれる。しかしその青年は巻き込まれず、ただ空だけを眺めていた。不思議な人だなと思いながら腕時計を見ると、バイトが始まる時間まで残りわずかとなっていた。

「ヤバッ!!」

あたしは急ぎ足で走る。もう青年のことなど忘れていた・・・