小子がそう言うとメイドとバトラーが血糊の回りに集まってきた。
「マジでマジで!?」
「初めて見たけど・・・意外とイケメン!」
「探偵だからやっぱタバコはパイプか?」
「いやいや探偵帽・・・名前は忘れたが、あれをかぶってるんじゃねえの?」
みんながあーだこーだ言うので、血糊は呆然とするしかなかった。
「あぁもう、はい終了。持ち場に戻れ!!」
萌瑠が叫ぶとメイドとバトラーはバラバラと散っていった。
「ふぅ・・・まぁ空いている席に座って」
「はぁ・・・」
血糊はそう言って席に座る。周りを見ると、多くの人が座っており、それをメイドとバトラーが対応していた。これは俗に言うメイド・執事喫茶か・・・やがて小子がお盆に水を入れたコップを持って現れた。
「お水です」
「ありがとうございます」
「えぇと・・・麻里亞ちゃんですけど・・・クリームとコーヒーパウダーが切れちゃって・・・それを買いに行ってます」
「そうですか・・・かわせ・・・麻里亞さんとは知り合いで?」
「えぇと・・・クラスで一番の・・・友達です・・・
「それはそれは・・・お世話になってます」
「迷惑だなんてそんな・・・」
「さて、私はこの辺で・・・」
「あっ、でも待ってたら・・・来ると思います」
「そうですね・・・じゃあ少し待たせてもらいますが、構いませんか?」
「はいっ、じゃあ紅茶を入れてきますので・・・」
小子はそう言ってその場を去って行った。
「さて・・・それで構わないですよねマウスさん」
「まぁ仕方がないんじゃないか?」
俺はそう言うと同時に教室の扉が開く。俺達は麻里亞かと思ったが、残念ながら違った。その顔には見覚えがあった、思い出すより早く何人かのメイドもとい生徒達が入ってきた人物に声をかけた。
「先生だ!」
「お久しぶりです。皆さんは元気にしてた?」
「先生のお腹凄いね」
「当たり前でしょ。新しい命が宿ってるもの」
「信じられないなぁ・・・」
思い出した。あれは麻里亞のクラス担任の牧野百合先生じゃないか。五月ぐらいに旦那の浮気調査を頼まれたんだよな・・・牧野は生徒達と会話をした後、紅茶を飲んでいる血糊に気づき、近付いてきて話しかけてきた。
「血糊さん、先日の件では失礼しました」
「いえっ・・・あれから元気そうで何よりです」
「そうね・・・あれからケンカもしたりしますけど・・・仲良くやってます」
「それは良かったです」
「今日は河瀬さんの招待ですの?」
「えぇ、私が来た時は買い出しに行かれてたようで・・・」
「じゃあもうすぐで帰って来ますね」
「えぇ・・・じゃあ私はこれで・・・」
「今度はお子さんを連れて来てください」
血糊がそう言うと牧野はニッコリと笑顔を見せ、教室を後にした。